本誌『ベストカー』にて、クルマにまつわる変わったもの、見慣れないものを取材する連載企画『これは珍なり(略して『これ珍』)』。数ある企画の中から、大人気漫画『進撃の巨人』とコラボしたスバル フォレスターのCMの話題をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年3月26日号に掲載した記事の再録版となります)
ⓒ諫山創/講談社
■超人気漫画『進撃の巨人』とのコラボCMが実現!
現在、破竹の勢いで売り上げを伸ばし続けている少年漫画をご存じだろうか?
単行本の累計発行部数が3000万部を突破し、昨年(2013年)はTVアニメ化され、さらに来年(2015年)には実写での映画化も予定されている「別冊少年マガジン」(講談社刊)連載中の漫画『進撃の巨人』(諫山創・作)だ。
で、今回のこれ珍でなぜ、この『進撃の巨人』を扱うのかというと、もちろんクルマが絡んでくる。
現在、こちらも業績絶好調のスバルのSUV、フォレスターが、この進撃の巨人とのコラボCM「FORESTER進撃」篇で“共演”を果たしたことが話題になっているのだ。
その話題のコラボCM、オンエアされたのは実はたった1回きり。今年(2014年)1月24日、「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)放送内に一度だけ流された。
そのCMの映像は、フォレスターが世界五大陸のあらゆる過酷な環境のなかで10万kmを走破したプロジェクト、「フォレスターライブ」の映像素材がベースとなっている。
CM前半では急カーブの連続するラリーモンテカルロの聖地、フランスのチュリニ峠での実写映像が使用されており、そこを駆け抜けていくフォレスターに対し、巨人たちが崖や橋、山林などを破壊しながら追いすがってくるという迫力のあるシーンが展開される。
その巨人たちの追っ手を軽快にかわして疾走するフォレスターのSUVとしての走りが印象的で、インパクトのある映像から伝わってくる臨場感も抜群だ。
巨人たちの追跡をかわしたフォレスターにクライマックスで襲いかかるのは超大型巨人で、突如として荒野に出現するシーンはまさに圧巻のひと言。

斜度52%というオーストラリアのフリンダースレンジを舞台に、この超大型巨人に対峙し、突き進んでいくフォレスターとつかみかかろうと手を伸ばす超大型巨人という構図で場面は暗転。「進撃」「全方位SUV」「SUBARU FORESTER」の明朝体文字が躍って、CMは終了となる。
迫力ある特撮CGとフォレスターの疾走シーンにグイグイと引き込まれていくCMなのだが、このCM監督を務めたのが来年(2015年)公開予定の実写映画版の監督も担当する樋口真嗣氏。これまでに『ローレライ』『日本沈没』『のぼうの城』などの作品で監督を務めてきた特撮作品の第一人者だ。
樋口氏の特撮技法はリアリティの追求にあるそうで、崩れ落ちていく岩石は実際に巨人の大きさに合わせたミニチュアを製作して、それを走行する映像に合成しているとのこと。
樋口氏が「昔からスバルが大好きでコラボできることを楽しみにしていました。いま、我々ができることを出し切って作りました。CMのみどころはもう全部です。ワクワクドキドキしながら『進撃の巨人』ファンだったら「こうだよね」というものを織り交ぜて製作しました」と断言するだけあり、珠玉の出来映えに仕上がっている。
また、超大型巨人のデザインをアレンジしたのが、平成仮面ライダーシリーズの怪人のデザインを手がけていた竹谷隆之氏で、原作やアニメ版のイメージをそのまま実写映像に落とし込むことに成功しているのも見逃せないポイントだ。
こうした豪華なスタッフによる入魂のCM映像にファンも機敏に反応したようで、この時のCM放映で実写版の巨人が初めて公開されたこともあり、番組放送直後からツイッターのツイート数も急増。
このCMを見るためだけにテレビのチャンネルを合わせるといった現象も起きたのだそう。
テレビ放送では一度きりの放映だったコラボCMだが、放送直後から公開された同プロジェクトサイトでは、CM動画を配信開始した。
さらに特撮シーンの編集前と編集後を比較する動画もあわせて公開されている。動画サイトのYouTubeによると、公開後わずか4日で500万回以上もの再生回数を記録するなど、その注目度は群を抜いている。
ちなみに30秒のCMで、その製作費は数千万円にものぼったんだとか。
今回のコラボCM、フォレスターの疾走シーンの格好よさは「進撃の巨人」の読者である若者にも充分アピールできたはず。そう思えば高くない!?
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)














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