ちょまっっそれって反則じゃないの!!? 過剰なまでのスペック・装備で圧倒的なパワー&トルクを見せつけた市販国産車列伝【ベストカーアーカイブス2013】

■オーテックステージア260RS(1997年登場)

オーテックステージア260RS(1997年登場)
オーテックステージア260RS(1997年登場)

 初代ステージアは7代目ローレルのシャシーを用い、パワーユニットもローレルやスカイラインに積まれ定評のあるRB系の直列6気筒を搭載したワゴン。

 ステージアはスポーティ度の高いワゴンだったが、開発陣はもっと暴力的なワゴンを開発したかったようだ。オーテックジャパンはワゴン版のGT-Rを生み出し、走り屋たちの声に応えた。それが1997年に衝撃のデビューを飾った260RSである。

 ボクは邪道だと思った。が、運転してみると、痛快で面白い。何といってもメカは驚異的な速さで世界をアッといわせたR33スカイラインGT-Rそのものなのだ。

 意のままに気持ちよく曲がり、加速すると後ろのクルマはアッという間に視界から遠ざかる。しかもワゴンだから実用性能は文句なし。荷物はたくさん積めるし快適性も高い。コイツは異次元の超速ワゴンだった。

■ダイハツストーリアX4(1998年登場)

ダイハツストーリアX4(1998年登場)
ダイハツストーリアX4(1998年登場)

 発表前に資料を見た時、「ホントなの?」と半信半疑だった。エンジンがなじみある1L 3気筒ではなく4気筒DOHCターボだったからだ。しかも軽自動車よりちょっと大きい713ccの排気量なのに120ps/13.0kgmのスペックだった。だから間違いだと思ったのである。

 が、すべて真実だ。掟破りがとおったのはX4が全日本ラリー選手権に参戦するために企画されたクルマだったからだ。ドーピング違反はこれだけじゃない。驚いたことに調整ナットを回してブースト圧を高めることができた。

 乗ってみると4000回転以下だとからっきし元気がなかった。が、ここを境に豹変。その加速フィールは恐怖で顔が引きつるといえばわかってもらえるだろうか? まさにジキルとハイドだ。

 が、慣れてくると高回転域をキープしての走りが楽しく、病みつきになる。

■トヨタブレイドマスターG(2007年登場)

トヨタブレイドマスターG(2007年登場)
トヨタブレイドマスターG(2007年登場)

 兄弟車の先代オーリスと同じだろう、とタカをくくって驚かされたのがブレイド。

 プラットフォームなどは共用だが、内装の質感など一歩上をいく。もちろんサスペンションは別物だし、走りの実力も段違いだった。「トヨタ版ゴルフGTI」だと驚嘆させられたのがブレイドマスターGである。

 ノーマルのブレイドは直4の2.4Lだが、ブレイドマスター系はマークXジオやヴァンガードなどが積むポート噴射の2GR-FE型V6、3.5L DOHCエンジンを搭載。カローラサイズのクルマに280ps/35.1kgmの強心臓を組み合わせたのだから遅いはずはない。

 アクセルを踏み、右足に力を入れると猛然とダッシュする。しかも無段変速機のCVTだからシームレスな加速フィールだ。

 ブレイドマスターGの凄いところは軽やかな操縦安定性に加え、乗り心地も悪くないこと。オーリスだと思ってカモろうといたずら心を出すと痛い目に遭った。

■トヨタ80系マークII/チェイサー/クレスタ2.5GTツインターボ(1990年登場)

トヨタ80系マークII/チェイサー/クレスタ2.5GTツインターボ(1990年登場)
トヨタ80系マークII/チェイサー/クレスタ2.5GTツインターボ(1990年登場)

 ハイソカーブームが巻き起こったバブル期は、セダンが高性能エンジンを積んだ時代でもある。羊の皮を被った狼が数多く登場し、スポーティクーペやスペシャルティカーを叩きのめした。速く見えないのに駿足を誇った韋駄天がマークII/チェイサー/クレスタの3兄弟だ。

 1988年デビューの8代目マークIIは、1990年のマイチェンで2.5Lを仲間に加えた。NAエンジンも用意されているが、主役はツインターボで武装した1JZ-GTE型直列6気筒DOHCを積む2.5GTツインターボだ。パワースペックは280ps/37.0kgmを誇示する。

 一見、速そうに見えなかったこのセダンが積んだ2.5Lのツインターボはパワフルだった。回転の上昇とリンクしてパワーとトルクが一気に盛り上がり、矢のような加速を見せる。

 フットワークとハンドリングもスカイラインに負けてなかった。

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