■三菱 リベロGT(1995年登場)
三菱を代表する4WDスポーツのランエボはWRCで勝つために開発され、たゆまぬ進化を続けてきた。このランエボのスピリットを受け継ぎ、ランサーGSRのメカニズムを用いた兄弟車がランサーのワゴン仕様として登場したリベロ。そのイメージリーダーとして誕生したのがDOHCターボとフルタイム4WDで武装したリベロGTだ。
直4、1.8Lの4G93型DOHCターボはマイチェンで215psにパワーアップ。4代目ランサーGSRでは195psだったが、リベロGTはこれより20psもパワフルだったのである。
ちなみに5代目ランサーGSRでも205ps。実用性を売りにするワゴンに最強のスペックを与えた。このこだわりに三菱エンジニアの意気込みと強いプライドが感じられる。
実際、走りは刺激的で、スポーツワゴンの代表であるレガシィより理屈抜きに面白かった。ジャジャ馬に感じるところもあるが、刺激はビンビン伝わってきた。
■ドーピングこそが正義!! ドラッグレースの猛者たち
ここではドラッグレースなどのモンスターマシンを紹介。
●F1より速い800psセリカ……2011年7月、英国グッドウッドのヒルクライムで最速タイムを出した6代目セリカ。カローラWRC搭載の直4、2Lターボをスーパーチャージャーで過給、800psまでパワーアップ。同時に出走したF1マシンにも勝っている。
●650psの3代目シーマ……2000年のボンネビルで320km/hを記録した最高速仕様。650ps/83.7kgmのインディ用V8、4L DOHC搭載。
●1000psの2代目アリスト……D1GPに参戦した猪瀬徹の2006年時のマシン。直6、3Lツインターボの2JZ-GTEエンジンをフルチューン仕様にし、1000psにまで到達させた2代目アリスト。あり余るパワーからコースが見えなくなるほどの白煙を発生させて走行会を一時中断させたこともある。
●HKSドラッグ80スープラ……直6、3Lターボに強度アップのスリーブを打ち込んで4.2Lにしてターボを2基がけし、推定1400psのパワーを誇る。
●500psターボのキザシ……2010年のボンネビルで元『ロード&トラック』誌のサム三谷氏がF/BGCクラスで327km/hの最高速世界新記録を達成したキザシのスペシャル仕様。
【番外コラム01】モンスター田嶋のドーピングマシン
市販車のチューニングでも数多くのドーピングモンスターマシンを製作してきた文字どおりのモンスター田嶋氏だが、歴代パイクスピーク参戦マシンのなかで最もドーピング度が高かったのが2007~2008年に参戦した時のXL7の「ヒルクライムスペシャル」だ。V6、3.6Lツインターボをミドに搭載し、4輪駆動させる怪物マシンで、1007ps/102.0kgmのパワー&トルクは歴代最高をマークしていた。
【番外コラム02】編集部ウメキのR30スカイラインRSターボ
懐かしのRSターボとの日々はもうまさに「ドーピングの日々」。最初のドーピングは定番のブーストアップ。HKSのVVCを取りつけてステアリングコラムに大型のブースト計。カリカリとVVCを捻ってブーストを上げればもう別世界!! プシューというターボ音を響かせて走りまくっていたら、ある日バックミラーが真っ白に。いわゆるひとつのエンジンブロー。
修理に入れたのはもちろんチューニングショップ。どうせエンジンバラして組み直すのだからと、2.1Lにボーリングしてハイコンプピストン組んで実馬力240psにドーピング!! こいつは速かった。排気量上げたもんだから下のトルクも出て乗りやすくて峠でも負け知らず。
でも夢のような日々は短く、お次はタイミングチェーンのテンショナーが「ガラガラガッシャ~ン」という音とともにはじけ飛んでジ・エンド。山手通りをアンダーパスする最深部でレッカーを待ったのはけっこう辛かった。ドーピングは確実に身体を蝕むと思い知ったのでした。
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)





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