今、自動車でトレンドのジャンルと言えばSUVだ。一般的な自動車メーカーはもちろん、フェラーリやランボルギーニ、アストンマーチンなど名だたるスポーツカーメーカーもSUVをラインアップしている。日本での乗用車販売における比率の6割を占めているSUVはなぜここまで人気なのだろうか? その理由を改めてみてみよう。
文:西川 昇吾/画像:トヨタ、ホンダ
【画像ギャラリー】あつまれSUVの森! 国産の代表的なSUV車一覧!(19枚)画像ギャラリーSUVが流行ったキッカケ
日本、いや世界的に人気なジャンルであるSUV。そのブームの発端にあったのが、初代ハリアーと言える。北米市場などではレクサスブランドからRXとして登場したハリアーは、これまでになかったクルマであった。
今でこそ「アーバンなSUV」という響きはよく聞くが、全高と最低地上高が高いクルマは基本的にオフロード走行を考えたものが多かった。
そんな中登場したハリアーは、都市に溶け込む高級感のあるデザイン、質感の高いインテリア、そしてサルーンを思わせるようなオンロードでの快適性を有していた。この新しいスタイルが「クロスオーバーSUV」というジャンルを確立したのだ。
これがヒットして、オフロードを走らずとも、オンロードで快適に乗れることを考えたSUVが様々なメーカーから発売されることとなった。
人気が続いているワケ
SUVが多くのメーカーにラインアップされるようになった理由は分かったが、人気が出なければここまで長くトレンドとなっていない。SUV人気の理由はどこにあるのだろうか?
まず、運転がしやすいと世間で認知されていることだろう。着座位置が高いため、周囲が見えやすかったり、地上高が高いため多少の段差など気にしなくても良いという意見がある。そして、SUVが英語で「多目的スポーツ車」の略であるように、荷物が載せやすくて比較的走る条件を選ばないため、多目的に使えるから万人に受けている。というのがある。
こういった背景がありSUVは人気となっている訳で、様々なモデルが登場してきた。人気のジャンルということは、それだけ研究開発が進むということでもある。SUVのウィークポイントとされてきた、全高の高さから来るコーナーでの不安定感も以前に比べて大分小さくなり、多くの人にとっても「ハンドリング性能はSUVでも十二分にある」と言える状況だ。
自動車メーカーとしてもSUVが作りやすい理由がある
また、メーカー側としてもSUVは作りやすいという側面があるようだ。車高が高く、ある程度ボディサイズを大きくできるため、スペース的な制限が少ないのだ。他のモデルとプラットホームやパワーユニットを共有することが多いため、製造コストも安く済む。
それでいて人気が高くて売れるので、自動車メーカーとしてこんなにありがたいジャンルは無いというワケだ。
そして、近年騒がれている電動化、BEVモデルの波もSUVブームの影響を受けている。床下にバッテリーをレイアウトすることが基本となっているBEVモデル。レイアウトの都合上、どうしても車内空間の高さを確保するのが難しい。そこでSUVでBEVモデルを開発するのが「作りやすい」という背景もあるのだ。
SUVのブームに対して疑問視する読者もいることだろう。しかし、人気ジャンルということは、その進化も目覚ましい。長年SUVに乗ってなかったSUV嫌いの人は、是非一度最新SUVを試乗してみるのも良いだろう。その進化に驚くはずだ。
コメント
コメントの使い方むしろ何故カローラクロスでなくカローラセダン、ツーリングを選ぶのか?
営業や世間様には、その明確な理由を説明することが求められます
これが面倒なんです