世界各地にあるサーキット。F1グランプリをはじめとする大規模のレースを開催するサーキットもあれば、スポーツ走行だけにとどまる小規模なものまである。その中でも、かつてトップカテゴリーで活躍していたレーシングドライバーが苦労を重ねたサーキットは、あのユニークなサーキットだった!!
文:中谷明彦/写真:Porshe AG、富士スピードウェイ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】カップカーの運転席ってこうなってるのか!? 普段見られないポルシェ911カップカーのインパネを見て!!(9枚)画像ギャラリー国内サーキットだけでなく海外のサーキットでも最速ラップを叩き出した青春
国内のサーキットでは、北は北海道の十勝サーキットから南は九州のオートポリスまで、ほぼ全てのサーキットでレースをし、カテゴリーは違えども優勝を果たしている。
オートポリスでは、その開幕戦となる1991年の全日本F3000選手権で優勝し、新装なった美祢サーキット(現マツダ車両試験場)でもポールポジションを獲得した。国内のサーキットでは新旧を問わず、どこへ遠征しても5周も走れば特徴を掴み攻略できた。
海外のレースでは国内では未経験の市街地レースとなるマカオGPを皮切りにル・マン24時間レースやオーストラリア・バサーストのマウントパノラマ、タイのパタヤ・サーキットでもポールポジションを得た。
そんな僕が、最も攻略に苦戦したサーキットがある。そこはF1の開催地としても知られるベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットだ。
練習走行1回のみという試練
僕がスパを訪れたのは2000年。ポルシェ・スーパーカップでF1GPの前座レースだった。本当は同年のモナコGPで開催された同レースに出場予定だったが、F1参戦を翌年に控えた高木虎之介選手がモナコを経験したいとシートを譲ったため、第2希望のスパに挑んだのである。
今思えば、あの時モナコを走れていれば、人生に思い残すことはなかったが、モナコを走る夢は今でも果たせていない。そうして訪れたスパは極めて難攻不落のサーキットで、キャリアの中で最も苦戦することになる。
まずタイムスケジュール。F1GPの前座ということもあり、練習走行は1回だけ。しかも名高いスパウェザーの洗礼を受けウェットでの走行となった。
スパの特徴は高低差が大きいこと。第一コーナーは幼少期からレース写真で憧れていた「ラ・ソース」。レストラン前のタイトなコーナーだ。そこから超有名な「オー・ルージュ(赤い水)」へ駆け降り、「ラディオン」という丘の上コーナーを駆け上る。
オー・ルージュは先が全く視認できない危険なコーナーで、F1はここをアクセル全開で抜ける。ポルシェ・カップカーはブレーキングするが、それでも時速200km/h以上の高速。しかもウェットで川も流れハイドロも起こる。
続くストレートは「ケメル・ストレート」と呼ばれ、サーキットお中で最も高い場所になる。ここでは時速250km/h以上の速度が出るが、先の「ル・コンブ」というシケインへのアプローチもフラットで見えない。
続く「ブリュッセル」はやや下の単調なコーナーだが、一気に駆け降り高い速度でアプローチする「プーホン」は最も高速で危険なコーナーだ。2つのRをもつ複合コーナーでブラインドコーナーでもある。
オー・ルージュのラディオン。プーホンの3コーナーを攻略できなければ、スパでは話にならない。
そして「スタブロー」、「ポール・フレール」を抜け、超高速の「ブランシモン」が待ち構える。ブランシモンは鈴鹿サーキットの130Rが二つ連続するような高速複合コーナーだ。そしてバスストップシケインをクリアして短いホームストレートに戻る。













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