日本では2016年に販売が開始されたボルボ XC90。そのXC90が内外装を中心に大型アップデートを敢行。「安全」のほか「デザイン」という強大な武器を手に入れ、上品さの中にも力強さに溢れる北欧貴族・ボルボ XC90の魅力とは!?
※本稿は2025年3月のものです
文:岡本幸一郎/写真:西尾タクト、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
変わらぬ人気のXC90が大幅アップデート!
ボルボといえば「安全」というイメージだが、最近では「デザイン」が一番の購入動機になっているらしい。その好評のエレガントなデザインをまとって登場したのがXC90だ。
2014年に本国で登場するや世界各国で数々のアワードを受賞するほど高く評価されたのち、2016年に日本にやってきた。登場から10年超が過ぎてもなお、年間10万台超が世界で売れ続けているというのも、たいしたものだ。
そんなXC90に、内外装の変更、ユーザーインターフェースの刷新、快適性の向上をポイントに大幅なアップデートが実施された。
外観ではフロントまわりがだいぶ変わった。ラインを減らしスッキリとしたなかに、ボルボの象徴であるアイアンマークを支える斜めのラインを強調したグリルはなかなか斬新だ。写真の訴求色「ブライトダスク メタリック」がよく似合う。
試乗したPHEVは標準で22インチの新デザインのホイールを履き、外装ではグロッシーブラックがアクセントカラーとなっている。
車内もいろいろアップデートされた。いち早くボルボが採用したグーグルによるインフォテイメントシステムは、やはり便利だと改めて思うとともに、新たに採用された大画面の自立式センターディスプレイは階層が整理されて直感的に使えるようになり、センターコンソールまわりも使いやすく変わった。
全車でテイラードダッシュボードが標準採用され、アンビエントライトがよりムーディな照らし方になり、エアベントが縦基調に変わったあたりも新しい。
走りについて、PHEVは2022年の大改良からは変わっていないそうだが、あらためてドライブしても、2.3トン級とは思えない軽快な走りに感心する。
フロントを2.0L直4ターボエンジンとCISGで、リアを強力なモーターで駆動し、0-100km/h加速は実に5.3秒というから、その気になればかなり速い。
快適性についても、ピラー内に発泡充填剤を、エンジンと車室の隔壁に遮音材を配したほか、ラミネーテッドウィンドウを採用するなどして、驚くほど静かな室内空間を実現している。
PHEVの足まわりは、エアサスと電子制御ダンピングシステムの組み合わせとなる。しなやかに路面に追従しながらフラットな姿勢を保ってくれる快適な走りは、長距離のドライブにも向いていそうだ。
プレミアムSUVは数あれど、この価格帯でXC90ほど内容の充実したクルマは他に心当たりがない。
●ボルボ XC90 主要諸元
・グレード:T8 AWD Plug-in hybrid
・全長×全幅×全高:4955×1960×1775mm
・ホイールベース:2985mm
・車両重量:2300kg
・パワーユニット:直4DOHCターボ+モーター
・総排気量:1968cc
・最高出力:317ps/6000rpm
・最大トルク:40.8kgm/3000-5400rpm
・モーター出力:F=70.7ps、R=145.5ps
・WLTCモード燃費:13.3km/L
・価格:1294万円


























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