タイでも大人気だった 現地の「ヤリスクロス」
ヤリスクロスも日本のヤリスクロスとは異なります。カタログ上のボディサイズは、全長4310mm(+110)×全幅1770mm(+5)×全高1615mm(+25)、ホイールベースは2620mm(+60)と、日本版ヤリスクロスよりも全長が長くて背も高くなっています(カッコ内は日本のヤリスクロスとの差分)。最低地上高(210mm)も日本のヤリスクロスより高い(+40mm)ため、かなり大きく見えました。
ただ日本人がこのヤリスクロスをみて、真っ先に思うことは「顔がRAV4じゃん!!」でしょう。日本のヤリスクロスにも似てはいるのですが、切りあがったデザインのヘッドライトや、大型のフロントロアグリルはまさにRAV4。リアウインドウの傾斜が少なく立ち上がっているバックドアや、左右非連結のテールランプもRAV4によく似ています。
インテリアも、ダッシュボード周りやステアリングホイール、シフトノブ周りなど、ダブルステッチを施した合皮素材のソフトパッドを取り込んでおり、樹脂素材多めの日本版ヤリスクロスよりもはるかに上質。メッキパネルやピアノブラックパネルも使用されており、運転席前のデジタルメーターや、10.1インチのセンターディスプレイなど、先進アイテムもしっかりと搭載されています。
そんな東南アジア向けヤリスクロスのタイ現地価格は、78万9000~89万9000バーツ(約337~384万円)。日本版ヤリスクロスハイブリッド(2WD-X、税込245万円~)と比較するとだいぶ高めの設定です。東南アジアのヤリスクロスが日本へ輸入されることはまずないでしょうが、日本のヤリスクロスが大人しいデザインであることから、このRAV4顔のヤリスクロスがうらやましくも感じました。
ハイラックスのSUV版!! 「フォーチュナー」
にぎわうトヨタブースでひときわ大きく存在感を放っていたのが「フォーチュナー」でした。フォーチュナーは、東南アジアで販売している3列シートのSUVで、日本でも販売されている「ハイラックス」と主要コンポーネンツを共有するモデルです。全長4795mm×全幅1855mm×全高1835mmのボディサイズは、見上げるほどの立派な体躯。全体的なイメージは、すでに廃版となったランドクルーザープラドに近いです。
エクステリアは、シャープなヘッドライトやフロントグリルのデザインが印象的で、高い車高の本格SUVでありながら、フロントマスクからは都会派SUVの雰囲気も溢れています。日本のハリアーをオフロード向けにカスタムしたらこうなるかもしれません。
インテリアは、デジタルメーターや大型ディスプレイといったキラキラとしたアイテムはなく、やや古さが感じられますが、物理的なスイッチがたくさん並んでいるのは、手探りで操作が必要なオフロード走行中を考えてのことでしょう。この質実剛健としたインテリアからは、道具としての使い勝手のよさが伝わってきました。
グレード構成は、エントリーグレードの「LEADER」と上級仕様「LEGENDER」、スポーティモデルの「GR スポーツ」の3種類。価格は、LEADERが140万バーツ~(約611万円~)、LEGENDERが164万3000バーツ~(約717万円~)、GRスポーツが196万9000バーツ(約860万円)です。タイの街中では、ピックアップトラックやそのSUV仕様のクルマが非常に多く走っており、このフォーチュナーもタイトヨタの屋台骨の一つになっているようです。
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「所変われば品変わる」といいますが、グローバル化が進む現代であっても、土地によってクルマが微妙に違っているというのは興味深いもの。トヨタのグローバル戦略と、地域に根ざした商品力の奥深さを感じました。
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