昭和元年は西暦でいうと1926年。つまり2025年は、ちょうど昭和100年にあたる年となる。そこで、昭和から2025年までに登場したクルマの中から、その技術力に驚愕した10台を片岡英明氏に選んでいただいた。
※本稿は2025年4月のものです
文:片岡英明/写真:マツダ、トヨタ、ホンダ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
マツダは世界を驚かせた!
生まれは西ドイツだが、マツダが育てたのがロータリーエンジンだ。1967年にコスモスポーツに搭載されデビューしたが、苦難の連続だった。その後、スポーツモデルのRX-7に搭載され、ル・マンなどのレースの世界でも大暴れ。マツダが世界を驚かせた革新的な技術の筆頭だ。
1997年12月に鮮烈なデビューを飾り、今につながるエコカーの基礎を築いたのがプリウスである。世界で初めてハイブリッド技術を実用化し、世界を驚かせた。
2代目からはハリウッドのセレブたちの心をとらえるなど、トヨタ(日本)が世界に誇る高度な技術だ。その後も進化を続け、CO2削減に大きく貢献している。
大気汚染が叫ばれ、オイルショックによって省エネの風潮も強くなった1970年代の革新技術がホンダのCVCCエンジンだ。
1973年、世界で初めて大気汚染防止のマスキー法をクリアした副燃焼室付きのCVCCエンジンをシビックに積んで送り出した。地球に優しい国民車で、パッケージングの革新やスターレンジ付きATも話題をまいている。
21世紀の革新の代表は、走行中CO2を出さない2台のエコカーだ。世界初の量産BEVとなったi-MiEVと燃料電池車のMIRAIである。i-MiEVは絶妙にモーターと電池を収め、走りも快適性も軽自動車レベルを超えていた。MIRAIの異次元の快適な走りにも感嘆する。
だが、20世紀に躍進したエンジン搭載車の気持ちよさも得難い。それを証明したスポーツモデルがGT-RをリーダーとするR32型スカイラインだ。4輪マルチリンクサスペンション、4輪操舵のHICAS、電子制御トルクスプリット4WD、精緻なDOHCツインターボなど、ハイテクをテンコ盛りしている。
軽自動車の傑作は、自動車が高嶺の花の時代に普及にひと役買ったスバル360だ。航空機技術を駆使して軽量で高性能、そして広い室内空間の軽自動車を誕生させた。
初代アルトは、平凡な技術を積み重ねることによって徹底したコストダウンと軽量化を実現している。これは軽三輪トラックのミゼットにも言えることだ。
今につながる乗用4WDの扉をこじ開け、普及させたのがレオーネである。水平対向エンジンを縦置き配置した独創的なFF車をベースに、部品を加えてリアも駆動する走破性の高い4WDに仕立てた。




















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