世の中にはいろいろなカスタマイズがあるが、中には効果が眉唾なモノが多い。特に普段見えない部分にパーツを加える「走行性能アップ」「剛性アップ」系のものは、その効果をユーザーが実感しにくいものの代表例だろう。しかしながら、コイツは小さな部品ながら大きな効果を体感できる魔法のアイテム。特にミニバンに付けると、乗り心地もハンドリングも大きく変わるぞ。
文:佐々木 亘/写真:佐々木 亘、トヨタ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】つけるだけで剛性アップ! アル・ヴェルやノア・ヴォクのレベルをさらに上げちゃう!(12枚)画像ギャラリーミニバンなら1万5000円で出来る必須級装備
GRパーツはトヨタの純正オプションカタログに記載のある、スポーツパーツブランドだ。このGRパーツが手掛けているのが、GRドアスタビライザーという商品である。
部品はドアストライカーとキャッチ部分のセットになっており、純正ドアストライカーを外して付け替えるだけ。装着すると、ドアストライカーの部分の隙間にスペーサーが入り、隙間を埋めることでステアリング操作時の車両反応を向上させる効果がある。簡単に言えば、補強パーツの一種で、価格はドアストライカー2個セットで、1万6500円(税込)だ。
クルマの剛性を上げるうえで、穴や開口部はできるだけ小さくしたいものだが、ドア周辺は必然的に開口部が大きくなる箇所。穴が開いていると、走行中にボディのよじれが起きやすく、ボディがよじれたりたわんだりすることで、ステアリング操作に対するクルマの反応が悪く感じてしまう。
この大きな穴の部分を塞ぐドアを、しっかりとハメ込んでよじれを低減し、クルマの剛性アップをしてしまおうというのが、GRドアスタビライザーの狙い。特にボディが大きくて重く、ドア開口部が広いミニバンにおいては、この小さな部品のわずかな補強が、クルマ全体に大きないい影響をもたらしてくれる。
スポーツカーのような俊敏さが得られるわけではないが、ステアリング操作に対して遅れがあり、もっさりと動いていたミニバンが、GRドアスタビライザーを付けるとステアリングの動きに対して、リニアに反応するのが分かる。コーナリング中の切り足しや修正舵がものすごく減るから、乗り心地も良くなるのだ。
もう標準装備にしてくれてもいいのに……
現在のところ、トヨタのミニバンでGRドアスタビライザーの対応車種になっているのはアルファード・ヴェルファイアとノア・ヴォクシー。運転席と助手席のドアストライカーを取り替えるだけで、走りが大きく変わるぞ。
ちなみにこの商品、純正用品カタログの中では、GRブレースとセットで販売されている。ノア・ヴォクシーのセット価格が3万3000円(税込)はまだ何とかなりそうなのだが、アルファード・ヴェルファイアだとセット価格が8万2500円(税込・HEV用)とかなりお高くなってしまうのだ。
しかし、必ずしもブレースとセットで付けなければならないというわけではない。GRパーツのホームページにも、ドアスタビライザー単品の商品コードが掲載されているので、品番をチェックしてトヨタディーラーに注文しよう。
ブレースまでセットにした方が確かに剛性は高まると思う。ただ、費用対効果を考えたときに、1万6500円のGRドアスタビライザーは圧倒的に手を出しやすく、その効果も高いのだ。もはや標準装備にしてその分車両本体価格を上げてもらっても良いくらい。ついでに、ミニバン専用のスライドドア用ドアスタビライザーも是非開発してほしいものだ。
純正用品カタログに載っている、効果抜群の隠れた名品。対応車種に乗っている人は、是非装着してみてほしい。














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