【乗らなくても劣化する!! 4年で交換推奨!!】意外に気にしないタイヤの劣化事情と消費期限

【乗らなくても劣化する!! 4年で交換推奨!!】意外に気にしないタイヤの劣化事情と消費期限

 昔であれば、ガソリンスタンドのスタッフがタイヤの異常に気づいて指摘もしてくれることもあったが、最近はセルフスタンドが主流でそんな機会も失われている。ここ10年でパンクが急増している背景については、以下の記事で触れているのでご覧いただきたい。

10年間で激変!! タイヤのパンク なぜ急増?? 背景にある3つの原因とは

 さて、それでもスタッドレスタイヤに交換が必要な地域に住んでいる人は、年に2回はタイヤの状態をチェックする機会があるが、非降雪地域ではクルマを持っていても車検の時くらいしかタイヤをチェックしたことがない……なんて人もいるのではないだろうか。

 業者や検査官による部分はあるが、 車検時のチェックで残り溝の深さはチェックしても、ひび割れに関しては酷いものを除き、検査で引っかからないことがある。そうなると、車検も通ったし、溝もあるしまだ大丈夫とクルマに詳しくない人は思いこみやすい。しかし、それは間違いだ。

 今回は、意外に見落としがちな、タイヤの消費期限とその重要性について、モータージャーナリストの斎藤聡氏が解説する。

文/斎藤聡
写真/Adobe Stock

【画像ギャラリー】タイヤとうまく付き合うために日ごろからチェックしたい6つのポイント!!


■残り溝は1.6mmまでだが、それだけではないタイヤの大切なこと

 タイヤは摩耗したら交換します。というのは、教習所でも習いますよね。残り溝1.6mmになったら交換しなくてはなりません。目安としてタイヤの縦溝の底にスリップサインという凸部がつけられています。この凸の高さが1.6mmになっているので、タイヤの山の部分(トレッド)とスリップサインの高さが同じになったら交換しなくてはいけないわけです。

 一般的には「タイヤの溝さえ残っていればダイジョーブ」、そんなふうに思っている人が多いのではないかと思います。でも、じつは保安基準には「亀裂、コード層の露出等著しい破損のないもの」という記述もあるのです。

 もっとも亀裂と呼べるような破損や、コード層の露出したタイヤは誰が見ても危険なので、交換することになると思います。こうした法律は、限界ぎりぎりの性能を担保するのに必要な条件です。

サイドウォールなどに、ここまでの”亀裂”と表現されそうなひび割れが発生していれば、点検時に指摘され即交換となるが、細かく入ったひび割れは指摘がされないこともある

 例えば残溝1.6mmのタイヤを雨で走らせると、ちょっとした水たまりにタイヤが乗っただけで、とてつもなく滑ります。

 法律では残溝1.6mmがタイヤ交換の限度ですが、交換の目安はもっと残溝が深く3.5mmとか3mmくらいといわれています。タイヤメーカーでは、メーカー間の差なくタイヤの磨耗は5分山を下回ったところから急速に耐ハイドロプレーニング性能が悪くなるといっています。新品時のタイヤの溝は、スタンダードタイヤで10mm前後、ハイパフォーマンスタイヤだと7mmくらいですから、この数字を見ても3mmはひとつの目安になるのではないかと思います。

 溝だけあればいいかというと、そういうわけにはいきません。タイヤのゴムは経年劣化するので、数年履いたら溝が残っていても交換するのが安全です。

タイヤとうまく付き合うためにも、タイヤに関する情報の読み方を勉強しよう。こちらは製造年月日。このタイヤは2018年40週目(10月1~7日)に製造されたことを示している

 ケーキのスポンジが乾燥してボソボソになって美味しくなくなってしまった、なんて経験を持っている人は案外たくさんいるのではないでしょうか。水分が飛んでしっとりした食感が失われてしまうわけです。

 タイヤも長く使っていると、ひび割れて柔軟性がなくなり、ゴムとしての性能が落ちてしまいます。

 問題はその目安です。うんと大雑把に例を示すと、だいたい交換の目安は4年くらいと考えてもらっていいと思います。この年数は絶対ではなく、使い方やクルマの保管環境によっても変わります。

 交換する目安になるのが、タイヤの側面やトレッドブロックの根元にひび割れです。これが出てきたら要注意。ヒビが深くなってきたら要交換です。

次ページは : ■なぜ交換する必要があるのか? 無関心が大事故につながることも

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