実は間違ってた? 1年または1万5000kmは遅い? エンジンオイル交換の最適タイミングとは

安いオイルを頻繁に変えるのと、高いオイルを長く使うのはどちらがお得?

カーショップではさまざまなエンジンオイルが売られていて、いったいどれを買えばいいのか悩みどころ(Sergey Ryzhov@Adobe Stock)
カーショップではさまざまなエンジンオイルが売られていて、いったいどれを買えばいいのか悩みどころ(Sergey Ryzhov@Adobe Stock)

 エンジンオイルには、鉱物油、部分合成油、全合成油の3種類があります。鉱物油は価格が安く、一般的な使用に適していますが、劣化が早い傾向があります。部分合成油は、鉱物油と合成油の中間的な性能を持ち、コストパフォーマンスに優れています。全合成油は、耐熱性や酸化安定性に優れ、長期間の使用に適していますが、価格が高めです。

 また、オイルの粘度も重要なポイントです。粘度は「0W-20」や「5W-30」などの表記で示され、最初の数字が低温時の粘度、後の数字が高温時の粘度を表します。車種や使用環境に応じて、適切な粘度のオイルを選ぶことが大切です。メーカー指定の純正エンジンオイルを入れるのがベストでしょう。

 エンジンをできるだけ長持ちさせたいというなら、究極の結論は高級オイルを適切なタイミングで交換することです。しかしそれはあくまで予算が潤沢にある場合の結論で、今回は経済性をメインに考えていくとどうなるでしょうか。

 エンジンオイルの価格はそれこそピンからキリまである。だが、エンジンのことを考えると、最低でもメーカー指定グレード以上のオイルを選びたいところです。

 カー用品ショップのプライベートブランドオイルの価格は1リッターあたり600円程度。これが高級オイルになると1リッター3000円を超えてきます。仮に低価格オイルを半年ごとに交換した場合でも、高級オイルを1年使うよりは金額的には安く済みます。

 プライベートブランドのオイルといっても製造は大手石油会社に依頼しているケースも多く、大量発注や輸送コスト削減などを行って価格を下げているため、品質的には問題はありません。

 高級オイルの品質は申しぶんなく、新品状態で比較するなら、エンジンの吹け上がりの良さなどは明らかに低価格オイルを上回ります。ただしそのぶんの対価を支払わなければなりません。

 ということで、低価格帯と高級品を比べてみると、どちらかというと安いオイルを頻繁に変えるほうがお得といえそうです。

 ここで見落としてしまいがちなのが、オイル交換には手間がかかるということ。ディーラーやカーショップに交換を依頼するとオイル代の他に工賃も発生し、交換するための時間も必要です。

 カーショップへの移動も含めると、なんだかんだでオイル交換に半日を費やしてしまうことも珍しくありません。つまり安いオイルを頻繁に変えるということは、交換のためのコストが高級オイルよりも高くなることも意味しています。

 時間を直接お金に換算するのは難しいが、忙しい現代人にとってこの目に見えぬコストの問題は無視できませんし、これらのことを考慮すると、単純に安いオイルをマメに交換するのがお得ともいいきれません。

 オイルのグレードと交換頻度の損得についていまだに明確な結論が出ていないのには、こうした複雑な事情があるのです。

 支出を抑えたいなら安価なオイルを短いサイクルで変更し、性能優先でなおかつ交換頻度を少なくしたいというのであれば、高級オイルを長期間使用するといった方法を選ぶのがよいでしょう。

まとめ

最近ではエンジンオイルの寿命をデジタル表示で知らせてくれるクルマもある。ただし、この機能を持つのは高級車が多く、指定オイルも高価な場合が多い(STOCKSTUDIO@Adobe Stock)
最近ではエンジンオイルの寿命をデジタル表示で知らせてくれるクルマもある。ただし、この機能を持つのは高級車が多く、指定オイルも高価な場合が多い(STOCKSTUDIO@Adobe Stock)

 エンジンオイルの交換時期は、従来の「1万5000kmごと、または1年に一度」という目安だけでなく、車の種類や使用状況、オイルの種類などを考慮して判断することが重要です。

 愛車を長く快適に乗るためにも、エンジンオイルの交換時期を見直してみてはいかがでしょうか。

 ハイブリッド車は、エンジン停止時間が長く、エンジンオイルが温まりにくいうえに、走行中にエンジンを何度も始動と停止を繰り返しているため、エンジンオイルにとってはシビアなコンディションとなっています。

 ヤリスハイブリッドの場合、低粘度のオイル品質規格「JASO GLV-1」認定を取得した0W-8というハイブリッド専用の超低粘度オイルが使われています。

 総合すると、愛車を長持ちさせたいなら、夏と冬、1年に2回、走行5000kmごとの交換をおススメします。ちなみにオートバックスでは5000kmの走行、または6ヵ月を目安としたオイル交換を推奨しています。

 新車で購入した場合、摺動部から細かな摩擦粉が出たり、組立時に小さな金属粉が入る可能性がゼロではないため、新車購入後3000kmでの交換をおススメします。

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…