ダイハツ タントエグゼは今こそじゃない!? 短命に終わったタントの高級仕様が惜しすぎる!

ダイハツ タントエグゼは今こそじゃない!? 短命に終わったタントの高級仕様が惜しすぎる!

 2003年の登場以来ダイハツを支え続ける人気車種タント。しかし、そんなタントにわずか1代で終わってしまったモデルがあることをご存じだろうか? 今から思えば少し時代が早かった?とも言える高級仕様のタントエグゼを振り返ってみよう。

文:小鮒 康一/写真:ダイハツ、ベストカーWeb編集部

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1代だけ存在したタントの派生モデル

現行タントのファンクロス
現行タントのファンクロス

 ダイハツのスーパーハイト軽ワゴンとして安定した人気を誇っているタント。現在販売されているのは4代目モデルで、2019年デビューとすでにモデル末期となってはいるが、ライバル車にはないBピラーレスのミラクルオープンドアや、2022年に追加したクロスオーバーテイストのファンクロスなどもあって堅調な販売を続けている。

 そんなタントは標準モデルとカスタムモデル、そして前述したファンクロスと3つのタイプが用意されているが、過去には別の派生車種が存在していた。それが2代目モデル時代に存在していた「タントエグゼ」だ。

「大人のタント」をテーマに開発されたタントエグゼ

「軽にくつろぎという革新。」のキャッチフレーズで登場したタントエグゼ
「軽にくつろぎという革新。」のキャッチフレーズで登場したタントエグゼ

 2007年に登場した2代目タントをベースとした派生車種として、2009年12月に販売が開始されたタントエグゼは、ファミリー層をメインターゲットとしたタントに対して大人同士のコミュニケーションと自分らしさを大切にする男女をターゲットに「大人のタント」として開発。

 そのためタントの最大の特徴であるミラクルオープンドアを廃し、一般的なヒンジドアとしたことが大きな違いとなっていたが、スライドドアを廃したことで約60kgの軽量化を実現。さらにエンジンやトランスミッション制御の最適化によって走行性能と燃費性能を高めていた。

 またシートアレンジを重視したタントに対し、タントエグゼのシートはアレンジこそタントほどではなかったものの、座り心地を重視した肉厚なシートを採用し、特にリアシートはソファーのような座り心地で軽自動車のリアシートとしては異例の快適さを実現していたのだ。

 そしてエクステリアデザインもファミリー層を意識して柔和な印象のタントに対し、タントエグゼは大型グリルを備えた上質感のあるスタイリッシュなものとなっており、タントエグゼカスタムも精悍な4灯タイプのヘッドライトやメッキガーニッシュなどを効果的にあしらい、クールでプレミアムな印象を演出しており、ややヤンチャなイメージの他のカスタム系とは一線を画していた。

1代で消えるには惜しい1台だった……

マイナーチェンジは果たしたものの2代目誕生には繫がらなかった。画像はタントエグゼ カスタムRS
マイナーチェンジは果たしたものの2代目誕生には繫がらなかった。画像はタントエグゼ カスタムRS

 このようにプレミアム感を前面に押し出したタントエグゼは、タント譲りの広い室内空間も相まって実際に所有したユーザーからは好評を集めていたのだが、待望のスライドドアを備えた2代目タントをベースとしながら、あえてヒンジドアとした点がなかなか受け入れられず、結局タントエグゼは1世代のみで姿を消すこととなってしまった。

 さすがにアレンジよりも座り心地を重視した肉厚なシートとスライドドアは親和性が高くないのは分かるのだが、最大のウリをいきなり派生車種でなくしてしまうというのはなかなか当時のユーザーには理解し難いことだったのかもしれない。

 逆にスライドドアが当たり前となった現在では、逆にヒンジドアで座り心地を重視したモデルというのは受けそうな気もするが、タントエグゼは時代を先取りしすぎた1台とも言えそうだ。

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