「もう買い替え?」なんて言わせない! 10年10万km神話を超えるために必要なたった5つのこと

「もう買い替え?」なんて言わせない! 10年10万km神話を超えるために必要なたった5つのこと

 かつては「10年10万km」がクルマの寿命とされていましたが、今やそれは過去の話。平均使用年数は13.87年に達し、20万km、30万kmと走行距離を重ねるクルマも珍しくありません。愛車を長く快適に乗り続けるためには、日々のメンテナンス、普段の運転で心がけるポイントを解説します。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

※本記事は一部生成AIを使用しています

【画像ギャラリー】いまや20万km、30万kmはザラ!? クルマを長持ちさせたいなら守るべき基本のキ!(6枚)画像ギャラリー

慣らし運転は必要? 新車時の注意点

各自動車メーカーの公式ホームページなどで、慣らし運転が必要かというユーザーからの質問に対してトヨタ、ホンダ、三菱、スズキは「慣らし運転は必要ありません」と回答している
各自動車メーカーの公式ホームページなどで、慣らし運転が必要かというユーザーからの質問に対してトヨタ、ホンダ、三菱、スズキは「慣らし運転は必要ありません」と回答している

 現代のクルマはエンジン部品の精度が向上し、慣らし運転は不要とされています。しかし、初期の摩耗により金属粉が発生するため、新車から1000km程度でのエンジンオイル交換が推奨されます。特にターボ車はオイルへの負担が大きいため、注意が必要です。また、駆動系のオイルも同様に早期交換が望ましいですが、近年は無交換のトランスミッションも増えています。

 各メーカーの見解では、トヨタ、ホンダ、三菱、スズキは「慣らし運転は不要」としていますが、日産は「1600km~2000kmまでは適度な車速、エンジン回転数で運転」と推奨しています。スバルは「1000kmまでエンジン回転数を4000回転以下に抑える」と明記しています。つまり、慣らし運転は必須ではありませんが、愛車をいたわる意味で行う価値はあります。

定期点検とオイル交換の重要性

クルマを長持ちさせるには12カ月点検も欠かせない
クルマを長持ちさせるには12カ月点検も欠かせない

 法定点検には12カ月点検と24カ月点検があります。24カ月点検は車検と同時に行われるため実施率が高いですが、12カ月点検は罰則がないため怠りがちです。しかし、クルマを長持ちさせるためには12カ月点検も欠かせません。

 エンジンオイルの交換サイクルは、一般的に5000km~1万kmまたは半年ごとが目安とされています。特にターボ車やハイブリッド車では、オイルの劣化が早いため、より短いサイクルでの交換が推奨されます。また、エンジンオイルだけでなく、トランスミッションオイルやデフオイルの定期的な交換も、駆動系の寿命を延ばすために重要です。

走り方次第で寿命が変わる! 日常の運転で気をつけること

高速道路をクルージングしたほうがエンジン、クルマにとってはいい
高速道路をクルージングしたほうがエンジン、クルマにとってはいい

 日常の運転でも、クルマの寿命に大きな影響を与えます。特に「チョイ乗り」ばかりではエンジン内部にカーボンやスラッジが溜まりやすくなります。月に一度は高速道路で一定の速度(70km/h以上)で5分以上走行することで、エンジン内部の堆積物を除去し、コンディションを維持できます。

 また、エンジン回転数を時折3000~4000rpm程度まで上げることで、燃料噴射量が増え、油圧経路の堆積を防ぐ効果があります。ただし、急激なアクセル操作や急発進は避け、スムーズな運転を心がけましょう。

 エンジンオイルフィルターもしっかり交換されていることも確認したほうがいいでしょう。車種によって異なりますが、一般的にオイル交換2回、オイルフィルター2回の割合で行うのが一般的です。

 走行距離が5000〜1万kmに達するごとにオイル交換する場合、オイルフィルターの交換頻度はエンジンオイルの2回目の交換のタイミング、つまり1万~2万kmに達するごとに行います。

足回りを新車当時に蘇らせたい場合には?

黒いゴムの部分がサスペンションアームのブッシュ。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる
黒いゴムの部分がサスペンションアームのブッシュ。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる

 新車購入後、5万~7万kmあたりを過ぎたあたりから乗り心地が悪くなり、ヤレがみえてきます。乗り心地を復活させたい場合、サスペンションのリフレッシュ、ダンパーばかりに意識が集まりがちですが、アッパーマウントやサスペンションの各種ブッシュ、ロアアームブッシュといったゴム類を交換するのもおススメです。

 新車時の引き締まった、しなやかな感覚が、サスペンションを交換しても、この感じが元に戻らないのはゴム製品のブッシュ類が痛んでいるためです。

 足回りのアーム類の付け根はゴムマウントでできていて(特殊な車両を除く)、このゴムの部分が硬くなったりひび割れたり、動かなかったり、動きすぎたりして調子が悪くなるので、ブッシュを交換するとこれが一気に蘇るというわけだ。人間でいうと関節をイメージしてもらえばわかりやすいかもしれない。

 費用の参考までにコンパクトカークラスだと、アッパーマウントは4000円前後、純正ダンパーはフロント1本1万8000円前後、リアは1本5000円前後といったところ。ディーラーで交換してもらう場合は工賃を含めて12万~15万円くらいかかる。

 ブッシュ類は数が多く、車種によって変わってくるため、一概には言えないが(NAロードスターは22個と多いことで有名)、フルブッシュ交換となると10万~20万円(工賃のほうが高い)くらいはかかると見ておいたほうがいいだろう。ディーラーや足回り専門ショップに一度相談してみるとよいでしょう。

 ロアアームのブッシュ交換も同時にやっておくことで工賃を節約できる。車種にもよるが国産車のロアアームのフロント、リアの新品部品をディーラーで購入すると工賃込みで1万5000円となっています。

エンジン始動時のアイドリングが高い時に、フロント周りからかなりの振動音がしていたらエンジンマントが劣化している証拠。最悪、亀裂が入っていたり、ちぎれていたりすることもある。写真はTRD製の強化エンジンマウント
エンジン始動時のアイドリングが高い時に、フロント周りからかなりの振動音がしていたらエンジンマントが劣化している証拠。最悪、亀裂が入っていたり、ちぎれていたりすることもある。写真はTRD製の強化エンジンマウント

 合わせてエンジンマウントも交換すると見違えるようになります。エンジンマウントをディーラーで交換してもらった場合、仕様や店舗によって若干差はあるものの、FFコンパクトカーは3万5000円~4万円といったところ。

 オートバックスなどのカー用品店や街の整備工場の方が安上がりなのは前述のサスペンション同様。忘れてならないのは足回りを脱着、交換したら、四輪アライメントテスターでホイールアライメントを計測、調整してもらうといいでしょう。

編集部まとめ:愛車と長く付き合うために

10万kmを超えてくると、こうしたエンジンチェックランプが付くこともある。オルタネーターの故障やバッテリーの電圧が低下するとメーター内のバッテリーランプが点灯。点灯したらすぐに診てもらおう(amstockphoto@Adobe Stock)
10万kmを超えてくると、こうしたエンジンチェックランプが付くこともある。オルタネーターの故障やバッテリーの電圧が低下するとメーター内のバッテリーランプが点灯。点灯したらすぐに診てもらおう(amstockphoto@Adobe Stock)

 クルマを20万km、30万kmと長持ちさせるためには、以下のポイントが重要です。

・新車時の慣らし運転と早期のオイル交換
・定期的な法定点検(特に12カ月点検)の実施
・エンジンオイルや駆動系オイルの適切な交換サイクル
・月に一度の高速道路走行でエンジン内部をクリーンに保つ
・急激な操作を避け、スムーズな運転を心がける

 これらを実践することで、愛車の寿命を延ばし、快適なカーライフを送ることができます。日々のメンテナンスと運転習慣を見直し、愛車との長い付き合いを楽しみましょう!

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…