三菱のコンパクトカーであるミラージュは、1978年に初代モデルが登場し、途中、コルトにその座を譲るものの、2012年に6代目モデルとしてその名前が復活した。残念ながらこの6代目ミラージュは2023年春ごろに終売してしまい、現在はラインナップから消えてしまった。この10年以上もの長きに渡って生産・販売が続けられながらも大きく話題になることなく消滅してしまった6代目ミラージュを振り返ってみたい。
文:小鮒 康一/画像:三菱
【画像ギャラリー】 後期型の顔結構カッコよくない!? 意外と二度も顔を変えていた!? 三菱 ミラージュ(18枚)画像ギャラリーリッターカーとして復活した6代目ミラージュ
往年のミラージュを知る人にとっては、ミラージュといえば「サイボーグ」を代表するホットモデルが用意され、ワンメイクレースが開催されていたこともあるほどスポーティなモデルであり、セダンやクーペといったボディバリエーションが豊富なモデルでもあった。
しかし2012年に復活した6代目ミラージュは、そういった過去のイメージを一新し、ベーシックなエントリーカーとして登場。エンジンは当初1Lの3気筒エンジンにCVTを組み合わせたもので、生産工場をタイとすることでコストを抑え、100万円を切る安価なスタート価格のリッターカーとなっていた。
別段特別な機能装備は持っていなかったが、900kgを切る軽量なボディと5ナンバーサイズの中でもコンパクトな全幅1665mmというボディで低燃費かつキビキビとした走り味を持っていたほか、イエローやグリーン、パープルといったポップなメタリックを採用したボディカラーが存在していたのも特徴となっていた。
改良とマイナーチェンジを繰り返し長寿モデルに
たださすがに1Lエンジンのみのラインナップでは動力性能に不満を覚えるユーザーもいたため、2014年12月には1.2Lエンジンを搭載した「1.2G」を最上級グレードとして追加設定。
そしてあまりにシンプル過ぎるルックスも一部のユーザーから安っぽいという声があり、2016年1月にメッキを備えたグリルやエアダム形状のフロントバンパー、ボリューム感のあるボンネットなどを備えたフェイスリフトを実施し、衝突被害軽減ブレーキを標準装備するというアップデートもなされている。
さらに2020年4月には三菱の新たなファミリーフェイスである「ダイナミックシールド」を採用したフロントマスクとなったほか、テールランプもL字型に面発光するLEDコンビランプになるなど近代化もなされていた。
このように時代に即した改良を受けながら10年以上のモデルライフとなった6代目ミラージュ。さすがにハイブリッドモデルなどをラインナップする他メーカーのコンパクトカーには及ばなかったが、実は愚直でマジメな安価なコンパクトカーに仕上がっていたのだ。
正直、新車時は取り立てて特徴がなかったため、なかなかオススメしにくいモデルであったことは事実だが、中古車となった今では高年式のモデルが安価で狙えるようになってきているので、安くて壊れにくい高年式のコンパクトカーが欲しい、という人にはピッタリの1台と言えるだろう。




















コメント
コメントの使い方