バブルの栄華を伝える幻の国産メガ・スポーツ……トヨタ 4500GTと出会った21歳のクルマ史探訪記!

バブルの栄華を伝える幻の国産メガ・スポーツ……トヨタ 4500GTと出会った21歳のクルマ史探訪記!

 2025年4月に開催されたオートモビルカウンシル2025。そこで21歳の担当の目をひいたのが、1989年のフランクフルトモーターショーで公開されたコンセプトカー、トヨタ 4500GT。公開当時のクルマ事情を含めて調べてみた。

※本稿は2025年5月のものです
文:ベストカー アシスタント・フクダ/写真:ベストカー編集部、トヨタ ほか
初出:『ベストカー』2025年6月10日号

【画像ギャラリー】4500GTに80スプーラ…… そしてソアラに三菱 HSR-II…… 平成がはじまる予感と新しいクルマでドキドキしていたあの頃(16枚)画像ギャラリー

担当フクダが生まれる前のコンセプトカー

1989年(平成元年)のフランクフルトモーターショーで初公開されたトヨタ 4500GT。担当フクダが生まれる14年前だ
1989年(平成元年)のフランクフルトモーターショーで初公開されたトヨタ 4500GT。担当フクダが生まれる14年前だ

 2025年4月に開催されたオートモビルカウンシルで、久しぶりに公の場に姿を現わしたクルマがあった。コンセプトカー「トヨタ 4500GT」だ。

 4500GTは、1989年(平成元年)のフランクフルトモーターショーで初公開された。4.5LのV8を搭載し、トランスアクスルレイアウトや、アウトバーンを300km/h巡行できる高性能を謳ったGTカーだ。

 2003年(平成15年)生まれ、21歳の担当にとって、当然このクルマは初めて知った一台。曲面を多用したボリューミーなエクステリアや、ドライバー側に傾いたインパネなどから、4年後の1992年に発表されたA80スープラを連想した。しかし、両車はメカニズムの面では大きくかけ離れている。

 その理由を調べようと、1989年当時のベストカーを開いてみた。4500GTとともに誌面を賑わせていたのは、数多くの新型スポーツカーの情報。

 そして4500GTはコンセプトカーにもかかわらず試乗インプレがされており、レポートした故・徳大寺有恒氏も4500GTを次期スープラ(=A80系)として期待していたことがわかった。

4500GTと80スープラを繫ぐ存在

曲線的なデザインで、V8エンジンの設定があった3代目トヨタ ソアラ。4500GTの遺伝子を受け継ぐ一台
曲線的なデザインで、V8エンジンの設定があった3代目トヨタ ソアラ。4500GTの遺伝子を受け継ぐ一台

 ところが、A80系登場を伝えた1993年3月10日号には「スポーツカー受難の時代」という、3年前とは正反対のフレーズが。

 バブル崩壊のあおりで、世の中が大きく変わっていったという当時について、編集部・ウメキに聞いてみた。すると4500GTとA80スープラをつなぐ、担当が見落としていたもう一台のクルマの名前が出てきた。

 それは1991年発売の3代目ソアラ(Z30系)。確かにソアラも曲面的なデザインで、さらには4L・V8ユニットの設定もある。つまり、4500GTの遺産はスープラだけでなく、ソアラにも受け継がれ、実を結んでいたのだ。

 イベントで実車の存在を知り、自分なりに調べてみる。新たな視点の発見や、クルマ史の奥深さが強く印象に残った経験だった。

4500GTとは“同級生”……三菱 HSR-IIも展示

宇宙船的で、令和の今見ても新鮮なデザインだ
宇宙船的で、令和の今見ても新鮮なデザインだ

 オートモビルカウンシルの三菱ブースに展示されていたのは、コンセプトカーのHSR-II。4500GTと同じ1989年の東京モーターショーに展示された、いわば“同級生”だ。

 三菱が先端技術のテストベッドとして作った先行研究車両シリーズの第2弾で、当時最先端だった電子制御4WD技術などを搭載している。現在まで脈々と受け継がれる三菱の4WD技術のマイルストーンだ。

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