2025年4月の上海モーターショーにて初公開された新型レクサス ES。北米など、海外では日本以上の人気を誇るセダンだ。2026年春の日本登場が有力視されているが、新型登場前に、レクサス ESの源流を初代から振り返って見てみよう。
※本稿は2025年5月のものです
文:片岡英明、ベストカー編集部/写真:レクサス、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年6月26日号
新型レクサス ES(2026年春デビュー)
8代目となる新型ESが、2025年4月の上海モーターショーで初公開された。
外観は2023年のモビリティショーに出展されたLF-ZCに着想を得ている。居住性にこだわった背高キャビンのパッケージだが、できるだけ車体を薄く見せる工夫が凝らされている。
ハイブリッドとBEVを設定。ハイブリッドには2Lベースと2.5Lベースを用意する。BEVのAWDモデル「ES500e」はシステム出力342.6psを誇る。
FF系のGA-Kプラットフォームを採用し、5m超となる車体寸法は伊達ではなく、後席の居住性はLSを上回るとの評価も聞こえる。また仕立ての質感もさすがの水準だ。
日本での発売は、2026年春が予定されているそうだ。
レクサス ESの源流をたどる
レクサスブランドのなかで、リーダー役のLSとともに早い時期に登場したのが「ES」だ。初代がベールを脱いだのは、1989年1月の北米国際オートショー。90モデルから正式発売を開始した。車名はレクサスES250だ。
ベースとなったのはFF車のカムリプロミネントである。スタイリッシュな4ドアハードトップで、高級感を演出するためにフロントマスクを重厚なデザインに変更した。
カムリプロミネントは2Lの1VZ-FE型V型6気筒DOHCだが、ES250には2.5Lの2VZ-FE型V型6気筒エンジンが搭載された。これにドライブモード切り替え式の電子制御4速ATと5速MTを組み合わせている。
2代目はレクサスらしい風格を備えたサッシュレスガラスの4ドアHTに成長。1991年秋にモデルチェンジし、ボディサイズをひと回り拡大した。3Lの3VZ-FE型V型6気筒DOHCを搭載したことでES300を名乗った。日本での車名は「ウィンダム」だ。
発売されるやES300は好調に売れ、レクサスの大黒柱へと育っていった。そして1996年秋に3代目にバトンを託した。ES300は、アダプティブ・バリアブルサスペンションや自発光式メーターとウォールナット化粧パネルをおごったレクサス・オプティトロン・インパネがレクサスらしい装備と評判になった。
2001年秋に第4世代のES300が登場する。日本仕様のウィンダムはこの代が最後だ。下にISが加わったため、ESはプレミアムセダンとしての性格を強く打ち出した。
エンジンは可変バルブタイミング機構を組み込んだ1MZ-FE型V型6気筒DOHC。2006年にデビューした5代目は3.5L・V型6気筒を積んだためES350を名乗った。時代に先駆けて6速ATを採用したことにも注目だ。
今につながるESが6代目だ。スピンドルグリルを採用し、ESとして初めてハイブリッド車のES300hを設定した。
2018年には第7世代になり、日本でもハイブリッド車のES300hの販売を開始した。ボディを拡大して車格感とスポーティ感を高めたが、最大の注目点は量産車として世界で初めてデジタルアウターミラーを採用したことだ。
日本では目立たないが、北米を中心とする海外では引っ張りだこの人気車だ。レスサスの主役に成長した次期モデルに期待が膨らむ。
(TEXT:片岡英明)


























コメント
コメントの使い方スバル好きから見ると、非常にデザインの共感があって、スバルデザインが目指す見本のように捉えてます。
隙間なくめちゃくちゃ凝ってるし、視覚的機能の塊なのに、煩雑になりすぎず「ガンダム的にカッコイイ」に留めてるバランス感覚。
最新鋭デザインなので昭和脳から拒絶反応は出るでしょうけど、割り切る挑戦魂がある。本当お手本だと思います。