2025年5月9日から14日にかけて、日本の自動車メーカー各社が2025年3月期(2024年度通期)の決算を相次いで発表した。小規模メーカーながら、営業利益率5%をキープし大健闘の三菱。2025年度以降はどんな戦略で渡っていくのか!?
※本稿は2025年5月のものです
文:井元康一郎/写真:三菱 ほか
初出:『ベストカー』2025年6月26日号
三菱の2024年度通期決算
三菱自動車の2024年度決算は売上高は2023年度とほぼ同じ2兆7882億円、営業利益は521億円減、率にして27%の大幅マイナスとなる1388億円。営業利益率は6.8%から5%に低下した。
厳しい決算ではあるが、営業利益率5%は苦戦するメーカーが目立った2024年度決算の中では悪くない。非上場のダイハツを除くと国内の乗用車メーカーの中では最も小規模であることを考えると、大いに健闘したといえる。
健全経営に踏みとどまることができたのは、北米で営業利益率10%超の高収益を維持できたこと、市場環境のよくない東南アジアでミニバン「エクスパンダー」、コンパクトSUV「エクスフォース」などが好評を博し、減益幅を最小限に抑えられたことなどが要因。
日本市場で高価格帯モデルの「アウトランダー」、軽自動車「デリカミニ」の販売好調が2023年度から持続し、赤字幅を縮小できたことも後押しとなった。
さて、2025年度以降の見通しだが、トランプ関税などのアゲインストを考慮した予想は営業利益1000億円、利益率3.4%。株主への配当金支払いも額は減るが維持される見込みだ。
決算会見では今後の戦略として、他社との相互OEM(相手先ブランドによる供給)をより積極的に活用するというビジョンが示された。
その中には台湾企業、鴻海科技集団からバッテリーEVの供給を受けることも含まれている。規模が小さく経営基盤も弱い三菱自動車が乱世でどう生き残るか興味深い。


















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