2025年5月、福岡県筑後市でちょっと信じられない事件が発生した。酒気帯び運転の疑いで逮捕された24歳の会社員男性が、「奈良漬けを食べただけ」と弁明したのだ。え、奈良漬け!? と、思わずツッコんでしまう人も多いだろう。でも実はこの「奈良漬け食べた説」、意外と昔からある“定番の言い訳”なのだが、本当なのか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=show999@Adobe Stock)
警察庁も実験済み!「奈良漬けで飲酒運転」はあるのか?
実は、この「奈良漬けを食べたから飲酒運転」については警察庁も調査していて、「アルコールが運転に与える影響の調査研究」のなかで報告している。
警察庁によると、「通常の摂取量であれば運転能力への影響は見られない。奈良漬けを食べて逮捕されたという報告は過去にもなく、実験結果からもまず考えにくい」とのこと。
ちなみに、アルコール健康医学協会の調査では、アルコール5%の奈良漬けを60切れ(約400g)も食べれば、理論上は飲酒運転の基準値に達する計算になるらしい。
のだが……。400gといえば、市販の大きな瓜の半分が袋詰めされた“まるまる一本”に相当する量。いくら奈良漬け好きでも、一気にそれだけ食べるのは……胃袋的にも塩分的にも無理があるだろう。
やはり、「奈良漬け食べただけ」というのは、かなり苦しい言い訳と言わざるを得ない。
他にもある! 飲酒運転になるかもしれない食品&マウスウォッシュ
実は、奈良漬け以外にも注意が必要な食品は存在する。日本食品分析センターやアルコール健康医学協会のデータによれば、下記のような食品や製品でもアルコールが検出される可能性があるのだ。
●甘酒
甘酒には「酒粕タイプ」と「米麹タイプ」があるが、要注意なのは「酒粕タイプ」。
200g飲むと、ビール78mlに相当するアルコールを摂取することになる。
●粕汁
日本の冬の定番料理・粕汁も侮れない。お椀1杯(200g)で、ビール82ml相当のアルコール量だ。
●栄養ドリンク
120mlでアルコール0.91g含むタイプを21本飲むと、計算上は飲酒運転の基準値に達する。
まあ、さすがに21本もがぶ飲みする人はいないかも……。
●お菓子類も油断大敵!
ウイスキーボンボンやブランデーケーキなども、食べ過ぎや食べながらの運転は要注意だ。
●マウスウォッシュ(洗口液)
食品ではないが、アルコールタイプのマウスウォッシュも使用直後に呼気検査を受けると飲酒運転と判定されてしまうことがある。ただし、水でうがいするか、5分程度の時間が経てば数値は下がるという。
思わぬ“誤検出”を防ぐには?
「まさかコレで!?」と思うようなものでも、タイミング次第では飲酒運転と誤解されるケースがある。だからこそ、運転前は食べるもの・飲むものにちょっとだけ注意しておきたい。
不意の検問や事故時の呼気検査で「あれっ!?」とならないよう、日頃から意識して生活したいものである。






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