「そろそろモデルチェンジか?」という頃に認証不正問題が発覚し開発が凍結。以来長らく沈黙を続けていたダイハツ ムーヴが、2025年6月にフルモデルチェンジして登場。カユいところに手が届くハイトワゴンとなった新型ムーヴの魅力を探る。
※本稿は2025年6月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ダイハツ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年7月10日号
ついに登場新型ムーヴ! 待った甲斐がありました!
お待たせいたしました! だよね……。ダイハツ ムーヴが11年ぶりのフルモデルチェンジで7代目に進化した。認証不正問題などでモデルチェンジの時期を逸していたが、満を持してのモデルチェンジだ。
現在、軽自動車の販売の中心は全高が1700~1800mmの、いわゆるスーパーハイトワゴンが主流だ。例えば4月の販売台数を見れば、軽自動車のトップ3はN-BOX、スペーシア、タントでいずれもスーパーハイト。
特に子育て世代にスーパーハイトの人気が高い。室内高の高さはもちろんなのだが、人気の要因として外すことができないのがスライドドアだ。
旧型ムーヴも含め、ワゴンR、N-WGN、デイズなどはいずれも後席ヒンジドアを採用する。狭い場所での乗降時などでは特にスライドドアのメリットは大きい。
全高1700mm以下でスライドドア車を選ぼうとすると、ムーヴキャンバスやワゴンRスマイルがあるが、両車ともにかわいらしいスタイルで、脱子育て世代にはちょっと抵抗感があるとの声も……。
幅広い層から受け入れられそう!?
そこで新型ムーヴだ。全高1655mmはキャンバスと同じで、まさにハイトワゴンのど真ん中。シャープでスッキリとしたフロントマスクからサイドに繋がるラインは若い世代からシニアまで違和感なく受け入れられるだろう。
スライドドアとすることで車重アップが懸念されようが、NAエンジン搭載の上級グレード「G」は860kgで、ヒンジドアの従来型に対し20kg軽量。N-WGNと比較しても10kg重たいだけなので、重量増のデメリットはないだろう。
従来は「標準」と「カスタム」のラインナップだったが、新型では一本化。RSがターボで他はNAエンジンを搭載する。
しっかりと作り込まれた新型ムーヴは、ハイトワゴン軽自動車の新たな価値観をアピールする。
スライドドア車ニーズの穴を埋める存在
新型ムーヴは、現実的にはスーパーハイト系が販売面でのライバルだ。
例えば全高1700mm以下のハイト系の4月の販売台数はN-WGN=2229台、デイズ=2548台という数字。ワゴンRは6128台だが、ここにはスライドドアの「スマイル」の数字も含まれている。
同じダイハツのムーヴキャンバスは新型ムーヴと同じ全高1655mmでスライドドア。4月は6683台売れていて人気モデルと言える。
新型ムーヴが狙うターゲットは、キャンバスやスマイルにちょっと躊躇してしまったユーザーだ。スライドドアは欲しいけど、かわいらしいフロントマスクはちょっと……という層だ。
さらに新型ムーヴは、スライドドアニーズでスーパーハイトを買っていたユーザーもターゲットにできる。
1800mm級の全高となるスーパーハイトは、子どもが立って着替えできる室内高が魅力だが、どうしても重心が高くなるため、操縦性の面では全高が1600mm台のハイト系には及ばない。高速道路で受ける横風の影響も、全高が高いとより大きくなる。全高の低いハイト系のメリットは実際の走りの面では大きいのだ。
スーパーハイトの人気は今後も磐石だろうが、ハイト系スライドドア車というムーヴの生み出す価値観は、今後の販売動向面でも注目だ。
●新型ダイハツ ムーヴの注目ポイント
・カスタムを廃止して、標準スタイルに一本化。よりスタイルを明確化した
・全高1655mmのハイトワゴンながら、人気の高いスライドドアを採用
・スーパーハイト系とは一線を画した安定した操縦性を実現する




























コメント
コメントの使い方もうムーヴの名前捨てて、「トールキッド」でいいんじゃない?ウェブカートップの記事だと、新ムーヴのイカツイデザインは女子受けが悪いようだから、キャンバスとの併売は続けるだろうね。重量増を嫌う人はワゴンRの新モデル待ちで。