三菱 アウトランダー・日産 エクストレイル・マツダ CX-80など、クロスオーバーSUVが7人乗りの設定を受けているのだが、トヨタに目を向けると7人乗りはランクル300と250の2台だけ。なんと都市型SUVに7人乗りが無いのだ。乗ってみると結構楽しい7人乗りSUVでの移動。かつてはトヨタにも、楽しい都市型7人乗りSUVがあったんですよ。
文:佐々木 亘/画像:ベストカーweb編集部
【画像ギャラリー】さらなる7人乗りSUVの拡充お願いしますトヨタさん!!(12枚)画像ギャラリーハリアーに近しい超保守的なSUV
トヨタの7人乗りSUVといえば、まずこのクルマを忘れてはいけない。2000年に登場したクルーガーだ。トヨタ ハリアーよりも正統的なオフロードスタイルと、上質感とゆとりのある居住性で勝負をしたクルマである。
3列シート車は2003年のマイナーチェンジで追加設定されている。リアサスとリアフロア形状を変更して追加された3列仕様は、トヨタでも異例中の異例だった。
ボディタイプこそ一般的な5ドアであるが、ボディサイズは初代ハリアーよりも若干大きい。ホイールベースは2715mmで、この数値は2代目ハリアーと同値である。
エンジンには2.4Lの直列4気筒と、3.0LのV6を用意。特に3.0Lの1MZ-FE型エンジンには、2.4Lにも搭載されている連続可変バルブタイミング機構VVT-iはもちろん、走行状態に応じて、吸気管の長さを3段階に変化させる、3段可変吸気システム(ACIS-Ⅳ)を採用し、全回転域でフラットかつ高いトルクを獲得する。
このエンジンが非常に気持ちいい。さらにモデル後期には3.3LのV6エンジン+モーターのハイブリッド車も加わった。
3列シートにはワンタッチフォールドダウン機構が装備され、荷物量に合わせたフレキシブルな使い方を可能にしている。
上級SUVにこだわりすぎず、使い勝手を重視して機能性を高めてあるクルーガー。多人数乗車を得意にしながら、オーナードライバーをはじめ、乗員全てが我慢することなく楽しく保有できるクルマだった。
RAV4ベースの高級志向3列シートSUV
2007年に登場したヴァンガードも、3列仕様の都市型SUVだ。クルーガーの後継モデルとして登場したが、そのベースはハリアーではなく北米仕様のトヨタ RAV4(ロングボディ)である。
ライバルにはアウトランダーやムラーノなどがいたが、ライバルはおろかハリアーやクルーガーと比較しても全長は短め。そのため、3列目はエマージェンシーシートの域を脱しない。
ただ、クルーガーが保守の3列シートSUVなら、ヴァンガードは革新。
特にラグジュアリー志向が非常に強く、内装には本革巻のステアリングやシフトノブ、オプティトロンメーターを全車標準装備とし、上級グレードでは本革+アルカンターラのコンビシートを用意するなど、ハリアー超えを意識したモデルでもある。
パワートレインは2.4LエンジンにスーパーCVTの組み合わせと、3.5Lエンジンに5速ATの組み合わせが用意された。登場当時は駆動方式が4WDのみだったが、翌年の一部改良でFFモデルを追加している。
普段は5人乗りで十分というファミリーでの使用でも、突然通常よりも1人か2人多く乗せなければならないシチュエーションはやってくる。その時に、3列目シートを備えるSUVは非常に役に立つのだ。
トヨタの動向を見ていると、完全に下火となってしまった3列シート都市型SUV。ただ、レクサスRXにかつてあったRX450hLの復活や、ハリアーに7人乗りを新設など、7人乗りSUVが似合いそうなクルマは結構ある。
クルーガー・ヴァンガードを生み出したトヨタだからこそ、この市場へまた戻ってきてほしい。














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