1990年代の三菱が放ったその名も「カリスマ」。欧州仕込みの走りと個性を武器に登場したが、果たして名の通り“カリスマ”にはなれたのか? かなり異色の経歴や名前がインパクトバツグンなのに日本ではやや影が薄いこのセダンに、今こそ再注目してみよう!
文:小鮒 康一/画像:三菱
【画像ギャラリー】ヨーロッパでランサーエボリューションはカリスマGTってマジか!? 力強さと優雅さが融合する通好みセダンこそカリスマだァーッッ!!(19枚)画像ギャラリーオランダ生まれでスウェーデンに兄弟を持つカリスマ
1990年代の三菱のラインナップにはセダンが豊富に存在していた。ランサー、ミラージュに始まり、ギャラン、エテルナ、エメロード、ディアマンテ、シグマ、デボネアと小型からフラッグシップモデルまでほぼすべてのクラスを網羅していたといっても過言ではない。
そんな三菱のセダンラインナップとして1996年に追加されたのが「カリスマ」だった。5ナンバーサイズのボディに1.8Lエンジンを載せたこのモデル。スペックだけ聞くと特筆すべき点がないように感じるが、実はかなり特異な成り立ちを持っていた1台なのだ。
れっきとした三菱車であるカリスマだが、実は当時の三菱とボルボ、そしてオランダ政府による合弁会社であるオランダのネッドカーで生産された輸入車となっていた。
このネッドカーの工場は1967年に設立された歴史のあるものだったが、1990年代初頭に経営難から閉鎖の危機に陥ってしまう。そこを前述したようにオランダ政府と三菱、ボルボが出資しあってその危機を脱したというワケなのだ。
三菱でありながらリアル・ヨーロピアン・コンフォート!?

そのためカリスマはプラットフォームをボルボのS40/V40(初代)と共有していたのである。ただプラットフォームの設計は三菱の手によるもので、エンジンなども三菱独自のものが搭載されており、非常に三菱色の強いモデルとなっていた。
ただオランダで生産されているということもあってメインの市場は欧州となっており、乗り味も欧州ユーザーに向けた仕上がりとなっていた。そのため、三菱車ながら欧州車の乗り味を感じられる「リアル・ヨーロピアン・コンフォート」のテーマで開発された。
とはいえ欧州車的な乗り味という触れ込みで反応するのは一部のコアなクルマ好きだけであり、すでに名の通ったランサーやギャランといったモデルが同クラスに存在していたこともあってか、マイナーな存在のまま2000年ごろに姿を消すこととなってしまった。
一方の欧州では、4ドアセダンのほか彼の地で人気の5ドアハッチバック仕様も存在し、比較的堅調なセールスを記録。日本では行われなかったフェイスリフトを含むマイナーチェンジなども実施され、2004年ごろまで生産・販売が続けられていた。




















コメント
コメントの使い方新車で買いました。
長時間座っていても疲れないダイヤル式リクライニングシートと、フロントブレーキパッドが2万キロで無くなりホイールが真っ黒になるのは、ヨーロッパ車でした。
カリスマ!
懐かしい。父が三菱好きで、母の車の候補だったのだけどディーラーがランサーの方が良いとランサーを勧められてランサーを買った事がありました。