憧れの旧車ライフが送りたいけど……得体のしれない個体引くのが怖すぎる件

憧れの旧車ライフが送りたいけど……得体のしれない個体引くのが怖すぎる件

 かつての名作CM、「いつかはクラウン」。クルマ好きなら「いつかは○○」の一台や二台はあるだろうが、金額的ハードルの高さと共に、「目利き」の要素も必要になるのが、「いつかは旧車」の世界だ。旧車を楽しめる未来は来るのか!?

※本稿は2025年6月のものです
文:伊達軍曹/写真:いすゞ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年7月10日号

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旧車専門店の質は玉石混交……高額車=よいとは限らない

比較的入門しやすい国産旧車のいすゞ 117クーペ(注目相場:180万円~400万円)。間違いなく1970年代を代表する名車であり、信頼できる専門店も存在している
比較的入門しやすい国産旧車のいすゞ 117クーペ(注目相場:180万円~400万円)。間違いなく1970年代を代表する名車であり、信頼できる専門店も存在している

 「高い値付けの旧車=状態がいい」「安い値付けの旧車=状態がよくない」と考える人は多いはず。だがそれは必ずしも正解ではない。

 もちろん高い=モノがいいという傾向はあるが、それはあくまで“傾向”。実際には「とりあえず高額だが、中身がいいわけではない」というケースも多々ある。

 これは旧車だけでなく中古車全般に当てはまる話ではあるのだが、昨今は絶版人気車の相場が高騰しているため、特に旧車において「中身がよいわけでもないのに、とりあえず値段だけは高い」というケースもしばしば見られる。

「1万時間の法則」を適用!! とにかく多くの店を見てみる

輸入旧車の世界に入門してみるなら、フォルクスワーゲン タイプ1(注目相場:130万円~600万円)。往年の“本物”は高額だが、高年式車は比較的お手頃。そして専門店の数も部品の供給体制も充分以上だ
輸入旧車の世界に入門してみるなら、フォルクスワーゲン タイプ1(注目相場:130万円~600万円)。往年の“本物”は高額だが、高年式車は比較的お手頃。そして専門店の数も部品の供給体制も充分以上だ

 「中身がよいわけではないのに、とりあえず値段だけは高い旧車」と、「高い分だけ、中身(メカニカルな部分)もよい旧車」を見分けるのは、ハッキリ言って難しい、なぜならば、どちらも外観と内装はピカピカでキレイだからだ。

 エンジンなどを分解してみれば違いはわかるが、売り物の旧車を店頭で分解してしまうわけにもいかないため、実質的には「見ただけではわからない」という結果になるわけだ。

 この問題を解決するためには「1万時間の法則」を利用するしかない。

 1万時間の法則とはご存知のとおり、何事も1万時間ほど学習と実習をすれば、その分野のプロレベルに達するという考え方だ。

 この考え方を旧車の販売店選びに適用し、とにかく1万時間を目標に――実際は1000時間くらいでもOKかと思うが――ひたすら数多くの旧車専門店を訪問し、店主と会い、物件を見て、販売店のブログなども読み込む。そうすればいつの間にか、店と物件を見る目が養われているだろう。

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