「最近クルマから変な音がする…」そんな経験はありませんか? 実は“音”はクルマの不調をいち早く知らせてくれる重要なサインです。本記事では、放置すると大きな故障につながる可能性のある5つの異常音に着目。原因や対処法を徹底解説し、愛車と長く付き合うための知識をお届けします。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe StockAdobe Stock(トビラ写真 miya227@Adobe Stock)
ガタピシ キーキー…その音、放置すると危険です!
日常のドライブ中に耳に入る「ガタピシ」「キーキー」「ゴトゴト」などの異音。その正体は、クルマがあなたに発しているSOSサインかもしれません。音によるトラブル予兆の見極め方を知ることで、深刻な故障を未然に防げる可能性が高まります。
ここではベストカーWeb編集部が整備士やメカニック取材を通じて得た現場目線の情報をもとに、特に見逃してはいけない5つの異常音とその対策をご紹介します。
1:「キーキー」というブレーキ音:ブレーキパッド摩耗の警告
ブレーキを踏んだ際に「キーッ」という金属音が響く場合、ブレーキパッドの摩耗が疑われます。パッドの残量が少なくなると、インジケーター(警告板)がディスクに触れて音を出す仕組みです。
この音を放置して走行し続けると、ディスクローターまで削れて修理費が倍増する可能性も。異音に気づいたら、まずは整備工場でブレーキパッドの点検を受けましょう。
2:「ゴトゴト」や「ギシギシ」音:足回りの緩み・老朽化
段差を越える時に「ゴトゴト」「ギシギシ」と車体から異音が出る場合、サスペンションのブッシュ類やダンパーの寿命、スタビライザー周りの緩み・劣化が考えられます。
ハンドルを切ったときに異音がする場合は、ドライブシャフトのジョイント部の摩耗やタイロッドエンド部の摩耗が考えられます。
いきなり走れなくなるものではないが、放置するとハンドル操作と実際のクルマの動きに遅れが発生する、「思ったほど曲がらない」といった支障が起こるようになります。
部品自体が破損しているケースもあるため、整備不良のまま放置すると走行安定性に支障が出て、事故リスクが高まります。音が出始めたらすぐにディーラーや整備工場で足回りをチェックしてもらいましょう。
3:「ウィーン」「ゴロゴロ」:ベアリングの劣化やハブのトラブル
走行中やハンドルを切った時に「ウィーン」や「ゴロゴロ」といった回転系の音がしたら、ホイールベアリングやハブベアリングの摩耗が疑われます。
このまま使い続けるとベアリングが焼き付いて最悪走行不能になるおそれも。定期点検や車検時のチェックだけでは見つからないこともあるので、気になる音がしたらすぐに専門業者に診てもらいましょう。
4:「カラカラ」や「カンカン」音:エンジンの異常燃焼・部品の緩み
アイドリング中や加速時に「カラカラ」「カンカン」といった金属音がする場合、エンジン内部の部品の緩みや異常燃焼(ノッキング)の可能性があります。
異常燃焼は燃料の質や点火タイミングのズレによって発生し、エンジンの寿命を縮める原因に。放置すればエンジンブロー(破損)にもつながるため、プロの診断を早めに受けるのが肝心です。
5:「キュルキュル」音:ファンベルトの滑りや劣化
エンジンスタート時や加速時に「キュルキュル」という高音が鳴る場合は、ファンベルトの滑り・劣化が原因かもしれません。
ファンベルトは発電機やエアコン、パワステなどさまざまな補機類を駆動しています。このベルトが切れると、走行不能になるだけでなく他部品に損傷を与える危険もあります。消耗品であるため、定期交換(おおよそ5~10万km)が推奨されます。
駆動ベルトに回転力を伝えるという重要な役割を担っているパーツが「クランクプーリー」で、エンジンの回転力を取り出すクランクシャフトの先端に取り付けられている。
この「クランクプーリー」、見た目は単なる金属の塊だが、エンジン始動時や加速時など瞬間的な衝撃がファンベルトに伝わるのを防止するため、内輪と外輪の間に衝撃吸収用のダンパーが組み込まれている。その衝撃ダンパーの材質は経年劣化するゴム。走向距離が延びたり、年数が経過すると確実に劣化し、切れて空回りするようになる。
初期症状としては始動時や補機に負荷がかかったときに「キュルキュル」と、ベルト鳴きと酷似した異音が生じるため勘違いしやすく、適切な対処を遅れがち。張りは正常で劣化の徴候も見られないのに「ベルト鳴き」のような異音を発したら要注意!
試しにプーリー側面にマーカーで、端から端まで1本線を記入してエンジンを回してみたい。エンジンを止めたときに1本線のままズレなければ問題ない。
が、もしも内周と外周にズレを生じたなら、ダンパーが切れて空回りしている。そのままでは症状は悪化する一方。ベルトで駆動されている補機類が全て同時に、動作不良に陥ることになるため、ただちに「クランクプーリー」を交換する必要がある。
またA/Cコンプレッサーのテンショナーに組み付けられているアイドラプーリーの「ベアリング不良」でも似たような音がする。
音に敏感なドライバーこそ、クルマを長持ちさせる
異音は、クルマが発する最もわかりやすい異常のサインです。しかし、普段から慣れた音に紛れて違和感に気づかないこともあります。
以下の3点を意識するだけで、異音への気づき力は格段にアップします。
・日常点検をルーティンにする
・少しでも異音を感じたら記録をつける(録音も有効)
・不安を感じたら自己判断せずプロへ相談
いまや自動車は長く乗る時代。新車価格も高騰し、手軽に乗り換えるのが難しい状況の中で、愛車をいたわる姿勢がコスパ最高のカーライフを実現します。










コメント
コメントの使い方新車で国産車買っても、何かしらの異音は三年以内に出てきます。音に敏感だとそれに気付けてしまいます。
しかしそれらは大抵、ディーラーで原因解明は難しい。気付いてしまうとずっと気になり続けますが、もっと大きく進行しないと整備は不可。
精神衛生上、音には鈍感なくらいがいいです。日常点検での予防は前提で。