周りと差別化を図りたい。でも経済的でもありたい。そんな相反する夢を叶えたのがフィアット600ハイブリッドだ!! イタリア車らしく乗って楽しいし5ドアだから3ドアみたいな不便さもない。おまけにベースグレードなら365万円って、あれ? 欠点がなさすぎないか?
※本稿は2025年6月のものです
文:西川昇吾/写真:中里慎一郎
初出:『ベストカー』2025年7月26日号
フィアット初のハイブリッド登場!
●フィアット 600 Hybridのポイント
・直3、1.2Lターボに6速DCTを組み合わせ、さらに約22ps、5.2kgmモーターを組み合わせた
・システム出力は145ps
・WLTCモード燃費は最良仕様で23.2km/Lを実現
・最安仕様は365万円!
ICEの500がなくなった今、この600ハイブリッドは日本のフィアットファン待望のモデルだろう。今回の試乗を通して強く感じた。
フィアット初のハイブリッドとなるこのモデルは、48Vマイルドハイブリッドで、23.0〜23.2km/Lという輸入車BセグSUVのなかでクラストップの燃費を実現している。
デザインは初代600から得た着想と500eの可愛らしさを融合したものとのことだが、誰が見ても「フィアットだ!」とわかるデザインなのが嬉しい。先に登場したBEVの600eとはマフラーの有無とエンブレム程度しか違いがない。
そんな「らしさ」満点のデザインもフィアットファンにとっては嬉しいと思うが、最も「コレは嬉しいはず!」と感じたのは乗り味だ。
ひと言で言えば「目を三角にしなくても運転が楽しいクルマ」なのだ。
箱根のワインディングを中心に試乗したが、ソフトな足回りは荷重がどのように移り変わっているかわかりやすく、クルマと対話しやすい。スムーズな荷重移動をして、気持ちよく走りたくなる。そして気持ちよくコーナーを駆け抜けることができたら笑顔になっている。そんなクルマだ。
この笑顔になるフィーリングはICEであった素の500と通ずるものがあった。600eと比べて250kg軽い車重の影響もある。
リーズナブルな価格も魅力のひとつ!
また、ハイブリッドは「マイルド」とは思えないほど電動感が強い。走り始めの極低速域はモーターで走るし、スロットルの戻し具合で回生の強弱もコントロールしやすい。ハイブリッドの名を体現した乗り味も見せてくれた。
パドルシフトによる変速もできるし、上まで回せば自然な感覚の小気味いいシフトアップをしてくれる。電動感とICE感がちょうどいいバランスなのだ。
そして利便性が高いのも嬉しい。トランク容量もクラストップで、リアシートは177cmの筆者が座っても窮屈に感じない。大人4人での移動もなんら苦ではないだろう。
最後に魅力的と感じたポイントが価格だ。エントリーグレードで365万円という設定は輸入車SUVとしてはリーズナブルだし、なによりナビなどが標準装備でオプションを追加選択する必要がないのが嬉しい。
ハイブリッドらしい低燃費と楽しい走り、求めやすい価格。フィアットファンはもちろん、初輸入車な人にもオススメな一台だ。



























コメント
コメントの使い方同じ程度の国産ハイブリッドのシエンタと比べて、100万円以上高い、ハイブリッドなのに燃費が悪い、モーターが非力など、どう考えても国内に走っている台数が少ないというメリットしか感じられない車。