軽自動車でありながら、圧倒的な悪路走破性で高い支持を集めているスズキ ジムニー。現在は4代目が販売中で、待望の5ドアモデルであるジムニーノマドも含め盤石の人気となっている。そんなジムニーには三菱 パジェロミニという対抗馬がかつて存在していた。しかしパジェロミニは2世代のみで終売。果たして両車の明暗を分けたのはなんだったのか。
文:小鮒 康一/画像:三菱、スズキ
【画像ギャラリー】2代までだったけど…… 結構バリエーションも多かったパジェロミニ! 2代目はスヌーピーエディションまであった!?(17枚)画像ギャラリーかの有名なパジェロの名を冠したパジェロミニ
パジェロミニが登場したのは1994年12月のことで、三菱を代表するクロスカントリーモデルであるパジェロの名を冠していた。エクステリアデザインも当時の現行モデルである2代目パジェロによく似たものとなっており、一目でパジェロファミリーであることが分かるものとなっていたのも特徴だ。
ただボディはビルトインフレームを用いたモノコックボディで、足回りもフロントがストラット、リアが5リンク式と、本家パジェロと比べて乗用車風味の強いものとなっている。
また駆動方式もパジェロミニにはイージーセレクト4WDと名付けられたパートタイム4WDのほか、後輪駆動の2WDモデルも設定されており、ターボのみのラインナップだったジムニーに対し、パジェロミニはNAエンジンも用意するなど、比較的ライトユーザーの多い軽自動車向けのラインナップとしていた。
この三菱の狙いはピッタリハマり、初代のパジェロミニはスマッシュヒットを記録。メインは4WDモデルだったが、2WDモデルの販売も上々で、それを見たスズキはのちに登場するジムニーに2WDモデルを設定したほどだった。
そしてパジェロミニは1998年10月に軽自動車の規格が変更されたタイミングでフルモデルチェンジを実施して2代目へと進化。時を同じくしてジムニーも3代目へとフルモデルチェンジを実施している。
100万円を超えてしまったのが分岐点か?
2代目パジェロミニも初代と同じくライトユーザーを取り込むべく、2WDモデルやNAモデルをラインナップし、よりオンロード性能を高めたライトクロカン的なキャラクターを強めていたが、乗用車らしさを強めたことで価格が上昇してしまい、NA、2WDモデルのエントリーグレードでも104万8000円と100万円を超えてしまう。
一方のジムニーはターボの4WDでありながら、スタート価格は99万8000円とパジェロミニよりも安価となった。結果、パジェロミニは豪華だが高額というイメージになってしまったのだ。
また2000年には三菱のリコール隠し問題も明るみになり、人気は徐々に低下。またアフターパーツも本格的なクロスカントリーモデルであったジムニーには及ばなかったことも少なからず影響していたと言えるだろう。
結局パジェロミニは2世代で姿を消すこととなってしまったが、一時はMRレイアウトのアイのプラットフォームを用いた新型を検討していた時期もあったとされており、今のようにSUV人気が高かったらもう少し違った未来があったかもしれないと思うと残念だ。



















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