飛ぶ鳥を落とす勢いのアルファードとヴェファイア。新型となり、ヴェルファイアの方が高いお値段となっているが、初代ヴェルファイアはアルファードよりも安かった。これが人気となった一因でもあったのだが、改めてヴェルファイアの本質を!!!!!
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】最近元気取り戻してきた? 全盛期に続け! ヴェルファイアが一番元気だったころ(21枚)画像ギャラリーアルファードから変化したトヨタの最上級ミニバン
トヨペット店で販売されていたアルファードGと、ネッツ店で販売されていたアルファードV。それぞれがサブネームのアルファベットを外し、トヨペット店でアルファード、ネッツ店でヴェルファイアを販売し始めたのが2008年のことだ。
独立車種となったヴェルファイアは、機構的に変わらないアルファードに対して、エクステリアデザインで個性を爆発させ、一気に販売台数の主導権を握った。
大型フロントグリルや上下二段重ねのヘッドライトは、在るだけですべてを圧倒する。気高い姿と強さを表し、そのエクステリアからは誇りを感じられた。贅沢でオーソドックスなアルファードに対して、先進性や力強さがヴェルファイアにはあったのだ。
ヴェルファイアが持つプレステージ感が時代の空気に合い、ヴェルファイアは個性の強い高級セダンユーザーなども惹きつけ、順調に販売台数を伸ばしていく。長期間にわたり月販3000台超を記録し続け、初代ヴェルファイアの総生産台数は32万台を超えるまでになった。同世代のアルファードに、10万台以上の差をつけて、2015年にフルモデルチェンジを受けることとなる。
高級車でもカッコいいのがヴェルファイア
アルファードの整ったライト類や、美しいグリル形状を見ていると、エアロタイプのSグレードよりも、標準顔のGグレード系に乗りたくなってくる。もちろん内装色はシェルで、450万円する3.5リッターエンジンのG‘Lパッケージが最高だろう。
対するヴェルファイアはエアロタイプのイカツイ車体に乗り込みたい。つまりはZグレード系を選ぶこととなる。エアロ系の最上級は3.5リッターエンジンのZ’Gエディション。こちらは車両本体価格416万円だ。
両者のウリとなるグレードで、35万円近い販売価格の差が生まれていることも、ヴェルファイアが大きく売れた要因であろう。
当時のカタログを見ていても、アルファードのグレード紹介で真っ先に出てくるのはエアロ無しのG‘Lパッケージ。対してヴェルファイアはエアログレードのZ‘Gエディションなのである。中身がほとんど同じなら、あとは見た目と安い方を選んで、さらにヴェルファイアのカッコよさを引き出すカスタマイズにお金をかけたくなるだろう。
ちなみに当時、フロントデザインはヴェルファイア、リアデザインはアルファードのモノが好まれ、ヴェルファイアのクリアテールランプをアルファードの赤いランプレンズに入れ替えるカスタムも流行した。
アルファードなら予算の関係によりノーマルで乗らなければならないが、35万円安いヴェルファイアなら手をかけられる。この違いが、若いユーザーの人気を分けたポイントにもなっていただろう。
今のヴェルファイアもアルファードより安くして!
現行型のアルファード/ヴェルファイアの販売価格は、最上級グレードで20万円、ミドルモデルで70~120万円もヴェルファイアの方が高くなっている。個性あるエクステリアや、アルファードには設定の無いガソリンターボエンジンを搭載していることが、その要因だ。
かつてはアルファードと同格にいたヴェルファイアは、アルファードよりも高いクルマになってしまい、初代が持っていたヴェルファイアの優位性が消えてしまった。
現在もその車名による人気は高く、アルファードに比べて少量生産される新車は、常に即完売状態となる。歴史あるアルファードが高級ミニバンの中心に来るのは理解できるのだが、かつてのヴェルファイアを待っているファンも大勢いるのではないだろうか。
シンプルにアルファードと中身を同じにして、カッコよく乗りやすいヴェルファイアを復活させてもいいのでは。ヴェルファイアにはプレミアムよりもプレステージの方が良く似合う。
























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