過去に記事でも紹介したことがある、事故車専門のオークションに、また変わった車両が出品された。「全損履歴」を持つクルマとしてお披露目されたのは、怪しい文言が書き込まれたGLS。果たしてこれは一体!?
文:古賀貴司(自動車王国) 情報元:IAAオークションズ
【画像ギャラリー】ボディサイドに注目!! 浮気野郎スペシャルというアダ名のSUVを見てwww(4枚)画像ギャラリーバズらせるために注目を集めようとするクルマも多い中…
中古車販売業者はクルマを仕入れる際、前オーナーを想像すると聞く。
整備記録簿や車両の内外装の状態、車内に置き忘れられたモノなどから、前オーナーがどのような乗り方をしてきて、どのくらいの“愛情”をクルマに注いできたのか。
そんなことを思い浮かべクルマのコンディションを探ろうとする。時には、車両のコンディションよりも、前オーナーがどのような色恋をしてきたのか余計な詮索をしたくなる車両にも出くわすようだ。
SNSを眺めていると、バズらせるためにわざと水性ペイントで車両に落書きしたり、クルマの上で踊ったり、車好きからは理解に苦しむ動画に出くわすこともある。
ボディ両側に入れれた「カノジョと居るのは知っている」の文字
しかし、アメリカのIAAオークションズ(いわゆる“事故車”専門)に出品された2022年式のメルセデス・ベンツGLSは、どうやら“本物”のようだ。
というのも、保険会社によって「全損」処理され、“サルベージタイトル”(全損履歴)がつけられたクルマである。
運転席、後席右側、助手席、リアハッチの窓ガラスが破壊され、ボディ両サイドには「I Know U with Her」とスプレー塗料で落書きされている。
文法的に正しくはないが“カノジョと居るのは知っている”というニュアンスで、車両は加害者のパートナーが所有していたのだろう。
もしかしたら、“カノジョ”の自宅近所に当該車両を駐車中に被害を受けたのかもしれない。
IAAオークションズの公式インスタグラムでは「はい、これで皆が知ることになりました」というキャッチフレーズで、当該車両の写真が投稿されていた。
そして、車両説明においては「“浮気野郎スペシャル”(メルセデス・ベンツ GLS 450)は、カスタムグラフィック付きで、悪い因縁もセットになっており、IAA Dream Ridesオークションにて出品される予定です。簡単に転売できるはずですが、この車は州外に持って行った方がいいかもしれません。念のため」とも。
そして、このユーモラスな投稿が、プチバズりした。
金額は不明ながらも、しっかりと落札済みに
IAAオークションズの写真をじっくり眺めてみると、メーターパネルに傷が数か所、そしてリアシート右側の座面が鋭利なモノで切られたような跡がある。
IAAオークションズの見積もりでは修理代は5万ドルほどかかりそうだとのこと。
ボディパネルにダメージは見受けられないし、エアバッグも作動していないので、もう少し安く仕上げられそうな淡い期待を抱いてしまう。
6月9日に同オークションに出品されたはずだが、なぜかサイト上では「キャンセル」扱いされていて落札価格が分からなかった。
インスタグラムのコメント欄を通じて質問してみたところ「売却済み」とだけ返信があった。ほかのコメントを眺めてみると「保険金詐欺」であろうことを疑う声も散見された。
いずれにせよ、ドライブレコーダーが欠かせない時代であることだけは、確かなようだ。そして、色恋のもつれにはくれぐれもご注意あれ。
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