WRCラリー・フィンランドで水素エンジンを搭載したGRヤリス ラリー2 H2コンセプトがデモランを披露! ガソリンモデルに匹敵するレスポンスとサウンドに4度世界チャンピオンに輝くユハ・カンクネンさんもラリー車として太鼓判を押した!
文:ベストカーWeb編集部/写真:TGR、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】水素チャレンジはトヨタのお家芸!! 見た目もサウンドもガチなGRヤリス ラリー2 H2の雄姿を公開!(8枚)画像ギャラリーWRC屈指の人気を誇るラリー・フィンランドで本気のデモラン
2022年WRCイープル・ラリー(ベルギー)で水素エンジンのGRヤリスH2が豊田章男社長(当時)の運転でSSをデモランし、水素への関心が一気に欧州に広がった。あれから3年、今度はWRCラリー・フィンランドでGRヤリス ラリー2 H2コンセプトが走った。
ラリー2とはトップカテゴリーのラリー1の下のカテゴリーだが、勝利のために作られた完全なラリー車だ。H2コンセプトはリアに気体水素のタンクを2本搭載し、エンジンは市販車ベースの3気筒1.6Lターボを採用し、予想される最高出力はラリー2の規制いっぱいとなる約285psだ。SSの全開走行でも数十キロは余裕で走れるようだ。もちろんドグミッションとなる5速シーケンシャルもGRヤリスラリー2と同じだ。
4タイムスチャンピオンも太鼓判!! 「これはラリー車だ!」
今回は多くのギャラリーが見守る中、レーシングサウンドを轟かせ、強烈な加速で疾走していく。水素をイメージさせる爽やかなボディカラーが新鮮だが、クルマの動きはラリー2そのもので、水素エンジンのポテンシャルを印象付ける。2022年のイープル・ラリーでの水素エンジンGRヤリスと比べると、見た目も走りもサウンドも圧倒的に迫力がある。
4度の世界チャンピオンになり、WRC23勝のレジェンドドライバー、カンクネンさんも「運転していてとても楽しいし、興奮した。これは完全なラリー車だ」と絶賛した。
WRCフィンランドは人口15万人のユヴァスキュラ市近郊で開催されるが、ラリー期間中は10万人以上がフィンランド内外からやってくるWRC屈指の人気イベント。GRヤリス ラリー2 H2コンセプトの走りを見たギャラリーたちの興奮はまさに本物のラリー車だったからだ。
ラリージャパンでは豊田章男会長運転のデモランが見たい!
トヨタ自動車は水素に本気だ。国内では豊田章男会長が液体水素エンジンのGRカローラに乗ってスーパー耐久に挑戦。今年のル・マンではGR LH2 レーシングコンセプトを初披露し、ル・マン24時間レースへ水素エンジンハイブリッドスポーツカーでの挑戦を視野に入れている。
水素についてはまだまだ課題が多く、懐疑的な人も多いが、挑戦し続けるうちに少しずつ道が開けていくこともある。
豊田章男会長は常日頃「カーボンニュートラル達成に向けた選択肢の一つとして水素の可能性を拡げていきたい」と語っているが、今回のGRヤリス ラリー2 H2コンセプトのデモランは、水素エンジンで本格的なラリー車を作ることができると証明したことになり、強烈なインパクトを残した。
少なくともデモランを目撃したラリーファンたちは、ラリー車そのものの音や振動、そして速さを目の当たりにして内燃機関を未来に残すには水素エンジンが一番だと思ったに違いない。











コメント
コメントの使い方水素エンジンは、最初に最も相性の悪い長距離耐久レースでデビューし、徹底的に虐めてカイゼンしている最中ですが
相性がいいのはこのラリー競技だと思います。記事中にあるように長いSSでも余裕で走り切れる距離な上、
ミスファイアリングシステムが利点になるほどに極端にレスポンスを求められる競技でもあるので、水素エンジンの利点が生きる