お弁当箱をモチーフにしたデザインで、レトロな雰囲気すら感じられるスズキのラパンシリーズ。メインターゲットは女性だそうだが、男性であっても、このどこかなつかしさすら覚えるデザインに魅了されるものはいる。だが、意外にもというべきか、むしろ軽自動車だからこそというべきか、そんなラパンにも当然スポーツモデルがあったのだ。
文:小鮒康一/画像:スズキ、ベストカーWeb編集部
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今やスライドドアを備えたハイトモデルが主流となっている軽自動車において、スタンダードな軽セダンでありながら安定した人気を誇っているスズキ ラパン。
ベースとなっているのは先代の8代目アルトながら、実用車であるアルトを感じさせないキュートな内外装が人気の理由のひとつで、現在は往年の名車である2代目フロンテのイメージを投影したラパンLCとの2本立てのラインナップとなっている。
そんな可愛らしいイメージが全面に押し出されているラパンではあるが、過去には尖ったホットモデルも存在していたのである。
初代に存在していたホットモデル「ラパンSS」
ラパンにラインナップされていたホットモデルとは、2003年9月の一部改良のタイミングで追加された「ラパンSS」というモデルだ。
初代ラパンにはデビュー後しばらくしてから余裕の動力性能を求めるユーザー向けに、ターボエンジンを搭載したグレードは追加されていたものの、このターボエンジンは扱いやすさを重視した“Mターボ”と呼ばれるもので、最高出力は60psに抑えられていた。
一方、SSに搭載されたのは自主規制値いっぱいの64psを発生するツインカムインタークーラーターボで、足回りには標準車よりも10mmダウンの専用ローダウンサスペンションを採用。
またラパンとしては初となる5速MTを設定し(コラム4ATも設定)、フロントシートはバケットタイプのセパレートシートとするなど、かなり走りを意識したものとなっていた。
それに合わせてエクステリアも丸型の専用ヘッドランプとメッシュタイプのフロントグリルを採用し、往年のスポーツカーのイメージを現代的にアレンジした個性的なデザインとなる。
惜しくもわずか1代で……
フロントグリルやフロントフェンダー、バックドアにも専用のSSエンブレムを装着し、どこから見てもスポーツモデルであることが分かるようなアピールまでされていたのだ。
当時のスズキは2000年末にアルトワークスが廃止となり、その後継モデルとして2002年11月にKeiワークスが登場していたものの、やはり背の低いセダンタイプのホットモデルが欲しいという声に応えたるタチでラパンSSが追加されたというワケだった。
そのため、女性人気の高いラパンにあって、SSだけは男性比率が圧倒的に高かったとも言われていたが、残念ながら2代目モデルには設定されることはなく、ターボモデルも2代目の途中で消滅してしまっている。












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