24年ぶりにホンダ「プレリュード」が復活した。ホンダの想定を上回る受注状況が話題となったが、オジサン世代にとってプレリュードは“デートカー”の代名詞的存在。現在、その言葉は過去のものとなっているが、6代目で懐かしい呼び名は復活するのか?
文:奥津匡倫(Team Gori)/写真:ホンダ、日産自動車
やっぱり昔のようにはいかないか!?
かつてプレリュードは「最強のモテ車」だった。2代目と3代目の頃、1982年から1991年までの期間が相当し、当時はそれに乗ってさえすればモテると言われていたほど。筆者を含めたオジサン世代はその頃のことをよく覚えている人が多いと思うが、実際、新型を注文している人にも50~60代が多いのだそうだ。いろいろな意味で古き良き時代を思い出しつつ注文した、なんて人もいるかもしれないが、クルマが届いた暁には、頑張って当時を再現してほしい……。近い世代の筆者は心の底から応援したいと思う!!
とはいえ今の時代、どんなクルマに乗っていようと知らない男が運転するクルマに乗り込む女子はいないだろうし、そもそもクルマやそのスタイルに関心が高い女子も多くはないだろう。その時点でかつてのようなモテエピソードの再現は難しいのだが、約600万円超という価格は、以前のように頑張れば手が届くものとは言い難い。やはりデートカーの復活には注文済みのオジサンたちが頑張るほかないようだ。
デートカーの絶頂を極めた2代目と3代目
絶頂期の話題が出たところで、その当時の話も少し。2代目と3代目プレリュードが絶大な人気を誇っていた当時、若者に好まれたのはもっぱらスポーツモデルやそれに相当するグレードだった。しかし、プレリュードはいわゆるスポーツカーではないのに人気だった。スタイリッシュなワイド&ローなスタイルは汗くささとは無縁なお洒落な感じがしたし、何より、そのスタイルは女子受けがよく、ナンパが成功したなどのモテエピソードも枚挙に暇がないほどだった。
でも、絶大な人気を誇った3代目プレリュードを人気の座から引きずり降ろしたのは、他でもないS13シルビアだった。現在はドリ車のイメージが強いシルビアだが、当時はスタイリッシュなデートカー。走りもイケるということでそちら方面の人気が高まっていくことになったが、プレリュードが4代目でスポーツ路線にキャラクターを変更したのも、スタイルも走りもイケたS13シルビアの影響があったと言われている。
カッコだけじゃない!! 最新技術が盛り込まれたイメージリーダー
プレリュードの絶頂期を知る世代の中には、カッコだけのクルマ、みたいに思っている人もいる。筆者を含め、とりわけモテとは縁の薄かった層にその傾向が強かったような印象だが、実際はその時代の新しい技術が盛り込まれたその時代のイメージリーダー的存在だった。2代目や3代目に投入されていたリトラクタブルライトやダブルウィッシュボーンの足まわり、ABSや4WSなどがまさにそれ。最新の6代目ではホンダS+シフトがそれに当たるだろう。
タイプRのような尖った性格のスポーツモデルではなかったが、やはり乗ればいいと実感させてくれたのはどの代にも共通したプレリュードの特徴だ。筆者は最新の6代目に触れる機会はまだ得ていないが、聞くところによると、相当いいらしい。モテる云々はひとまず、昔を懐かしみつつも、当時からは隔世の進化を遂げた現行モデルの走りを味わう、そんなクルマとじっくり向き合うような楽しみ方がイマドキなのかもしれない。







コメント
コメントの使い方現行、似てるとか外見で揶揄されてた頃はまだ良かった。
納車された人が調べたら、通常では半値のカローラHVやミニバンにすら負ける加速力。
条件を完璧にそろえて一番パワーの出る形にしたら少し速くなったけど、それでも200万も安くて重いSUVたちより遅いのは何なのか。
買わないなら、スポーツクーペの価値は速さじゃない!と言える。けれど他でもない自分が買うのなら、加速感でも満足度は欲しいのが本音なのでは。