ホンダ ヴェゼルに新グレードのe:HEV RSが登場し、注目を集めているのが「RS」の称号。いかにもスゴそうな響きを持つこのRSにはどんな意味があるのか? 今回は、古今東西のRSモデルを集め、その内容と名称の秘密を見ていこう。
文:長谷川 敦/写真:アウディ、スズキ、トヨタ、日産、フォード、ホンダ、ポルシェ、ルノー
【画像ギャラリー】速さにこだわるならRS!(17枚)画像ギャラリー特別仕様に与えられる「RS」の意味
ホンダが2025年10月に発売したSUVのヴェゼルe:HEV RSは、ノーマルのヴェゼルに対してスポーティさを追求した上級バージョンともいえるモデル。
車名の最後につけられたRSは「Road Sailing(ロードセーリング)」の略であり、「水上をセーリングするように気持ち良くハイウェイを走る」という意味でホンダの歴代モデルに与えられてきた称号でもある。
しかし、他メーカーにもRSの称号を冠したモデルは多く、実はメーカーによってその意味が異なっている。
その詳細に関しては次項以降で紹介していくが、基本的にRSが与えられたクルマはノーマルよりも上級のバージョンであることが多く、速さや豪華さの証明ともいえる。
そこで、各メーカーの「RS」モデルをピックアップして、メーカーごとに異なるRSの意味とクルマの内容を解説していきたい。
TVドラマで大人気だった国産RSモデル
今回の主題である「RS」の文字を見て、このクルマを思い出した読者の多くがベテランで、なおかつTVドラマ「西部警察」での活躍が印象に残っている人だろう。
日産の6代目R30型スカイラインにラインナップされた2リッター4気筒DOHCエンジン搭載モデルには「2000RS」の名称が用いられ、さらに1983年にはターボチャージャーで武装した「2000 ターボRS」も登場している。
日産のRSは「Racing Sport(レーシングスポーツ)」の略であり、そのものズバリ、レーシーなスポーツバージョンであることを示している。
●ガゼール クーペ ターボRS-X
スカイライン ハードトップ 2000 ターボRSと同年に発売されたガゼールの上級バージョンもRSの称号を持っていた。
シルビアの兄弟車として誕生したガゼールの2代目モデルであり、2リッターDOHC直4ターボエンジンが搭載されていた。
1980年代にはRSの名称を使っていた日産だったが、その後RSが使われるケースは減っている。
Rは「ラリー」のR
●フォード フォーカスRS
アメリカのフォードがリリースするモデルにもRSバージョンが存在する。
有名なのは小型車・フォーカスのRSで、このRSは「Rallye Sport(ラリースポーツ)」の意味。
フォーカスは初代モデルが1998年に登場し、フォードはこのフォーカスを世界ラリー選手権(WRC)に投入した。
そのWRCモデルをインスパイアして限定生産されたのがフォーカスRSだった。
現行のフォーカスは2018年デビューの4代目で、アメリカへの導入はなくヨーロッパを中心に販売されているが、排ガス規制などの理由により、RSモデルはラインナップしていない。
なお、フォードにおけるRSモデルは1969年のタウヌスから存在している。
●三菱自動車 ランサーエボリューションRS
WRCの公認取得のために市販された三菱自動車 ランサーのラリー仕様がランサーエボリューションシリーズで、現在でも高い人気を維持している。
ランサーエボリューションは初代からX(10)まで登場したが、そのなかにRSの名を持ったバージョンがあった。
このRSもまた「Rally Sport(ラリースポーツ)」の意味であり、フォードのRallyeとはつづりが違うが、意味は同じ。これはフォードではフランス語由来のつづりを採用しているため。
“ランエボ”シリーズのRSは、競技用車両のベースにするためエアコンなどの装備を外して軽量化を行った仕様を指している。






















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