「RS」という最強遺伝子! “速さ”を託された名車列伝

実は、レーシングじゃなくて「ランナバウト」

●トヨタ GRヤリスRS

「RS」という最強遺伝子! “速さ”を託された名車列伝
トヨタ GRヤリスRS。エンジンは“無印”ヤリスと同じ1.5リッター自然吸気タイプであり、前輪駆動のみというシリーズのなかではおとなしめのモデル

 究極のコンパクトカーともいうべき高性能モデルがトヨタのGRヤリス。

 名称こそ一般向けモデルのヤリスと共通ながら、実際には多くの独自コンポーネンツを使用するハイパフォーマンスカーであり、WRC向けマシンのベースにもなっている。

 そんなGRヤリスにもRSが用意されているが、これはGRヤリスのなかでは比較的おとなしい仕様であり、RSは「Runabout Sport(ランナバウトスポーツ)」を意味している。

 ランナバウトは小型の自動車(乗り物)を指す言葉であり、キビキビとした走りを信条にするモデルに用いられることが多い。

 RSはヤリスの前身モデルだったトヨタ ヴィッツにもラインナップされていて、かつて販売されていたトヨタ製ミドシップ2シーターのMR2やMR-SのMRも「Midship Runabout」の略だった。

 ちなみに4ドアセダンの先代クラウンにも、スポーティな内装で仕上げたRSグレードが存在していた。

その他のRSモデルたち

●スズキ スイフトRS

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スズキ スイフト HYBRID RS。写真は2023年まで販売が行われた3代目モデルであり、4代目の現行型スイフトではRSグレードは設定されていない

 日本のスズキが販売しているスイフトのRSは「Road Sport」を指しているといわれ、スイフトスポーツほどではないものの、スポーティな味付けが施されたスイフトのグレードで、運転好きな人から支持されていた。

 しかし、このRSがラインナップされていたのは先代モデルまでで、2023年登場の現行型ではRSグレードはなくなっている。

●ルノー メガーヌR.S.

「RS」という最強遺伝子! “速さ”を託された名車列伝
ルノー メガーヌR.S.。この写真では見にくいが、フロント中央のエンブレム下に「R.S.」の文字が記されている。ルノーではメガーヌ以外のR.S.モデルもあった

 フランスのルノーにもRS(ルノーの場合はR.S.表記)名のクルマが複数台存在する。

 ルノーのR.S.はシンプルに「Renault Sport(ルノースポール)」のことで、ルノーがモータースポーツ活動で培った技術を盛り込んだスポーティなモデルに用いられていた。

 ただし、ルノースポールは2021年にルノーが持つ別ブランドのアルピーヌと統合されたため、それ以降のスポーティなモデルにはアルピーヌ名が使われている。

●アウディ RS 3

「RS」という最強遺伝子! “速さ”を託された名車列伝
アウディ RS 3スポーツバック。ハッチバックモデルだが外観はスポーティで、実際に高い走行性能を有している。セダンモデルもラインナップされる

 RSをそのまま車名にしてしまったのが、ドイツ・アウディのRS 3。

 アウディのRSは「Rennsport(レンシュポルト)」を意味していて、これはドイツ語でレーシングスポーツのこと。

 つまり車名からして高性能モデルであることが想像できるが、実際に現行型のRS 3は、400psを叩き出す2.5リッター直5ターボエンジンを搭載するハイパフォーマンスカーだ。

 アウディではこのRS 3の他にもRS 6やRS 7など、複数のRSシリーズを展開している。

 同じドイツのポルシェもRSを冠するモデルを販売していたが、これもアウディ同様に「Rennsport」の略である。

【画像ギャラリー】速さにこだわるならRS!(17枚)画像ギャラリー

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