現代のクルマには、昔の機械式のメカニズムから、電子部品に置き換えられた機能が少なからず存在する。レバーからボタンに置き換わった「パーキングブレーキ」などはその最たる例だが、便利になったからこそ出現する新たな危険もある!?
※本稿は2025年10月のものです
文:井澤利昭/写真:ホンダ、トヨタ ほか
初出:『ベストカー』2025年11月26日号
「操作が簡単である」ことが落とし穴に……
最近のクルマのパーキングブレーキといえば、ボタン操作で作動する「電動式」。これを採用しているクルマがほとんどだろう。
操作方法は車種によって異なるものの、多くの場合、フットブレーキを踏んだ状態でボタンを引くとパーキングブレーキがかかり、スイッチを押すとブレーキが解除されるタイプだ。
レバー式やペダル式では力が要ることに加え、簡単なボタン操作でパーキングブレーキがかかるのが電動式のよさ。また、シフトレバーをPレンジにすれば自動でパーキングブレーキがかかり、Dレンジに入れると自動で解除されるタイプもあるという利便性の高さも電動式の大きな魅力だ。
駐車時のパーキングブレーキのかけ忘れや、発進時に解除の必要がないという安全性の高さも電動パーキングブレーキの大きなメリットと言っていいだろう。
しかし、いっぽうで操作方法が自動車メーカー全体で統一されていないことから、レンタカーなど初めて乗る場合には注意が必要だ。
ブレーキをかけたつもりが逆の操作をしている……というケースが多く、自動だと思っていた機能がキャンセルされていた場合は、駐車中のクルマが突然動き出すというトラブルの可能性もありうる。
そして、忘れずに注意を払いたいのが「子どもの存在」だ。操作が簡単なだけに、子どもが前席に乗り、誤って電動ブレーキを解除する可能性もなくはないのだ。
「少し止めるだけ」「短時間だから」と油断せず、クルマを離れる際には車内に子どもだけを残さないよう気をつけることも大切だ。
●使い方再確認! 「ボタンを引けばON」や、逆に「押せばON」など統一されていないので、発進する前にチェック。









コメント
コメントの使い方電動パーキングブレーキを採用することによる最大のメリットは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の作動速度域を「0km/h」(完全停止・再発進)まで対応できるようになること。