トヨタのサブスク「KINTO」が、モータースポーツ参加型企画「MOSKIN」の一環として、あのTOM’Sとコラボしてコンプリートカーのレンタルサービスを開始した。その3台のレンタル車の中からトヨタ GRヤリス by TOM’S×KINTOをご紹介する。
※本稿は2025年11月のものです
文:梅木智晴(ベストカー編集委員)/写真:奥隅圭之、トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
一歩先の領域にたどり着ける絶妙チューン
ベースとなるのは前期型なのでエンジンは272ps、37.7kgmだが、トムスオリジナルのハイフロータービン、大容量インタークーラー、大容量ラジエター、専用チューニングECU、さらにエグゾーストシステム「トムス・バレル」などにより実に70ps引き上げた340ps、48.0kgmを発揮する。
エクステリアは前期型をベースとするものの、後期型のフロントマスクを思わせるフロントディフューザーやカナード、後期型用リアルーフウイング、リアアンダーディフューザーなどで空力性能を引き上げる。
インテリアは前期型の造形のままで大きな変更はないが、ステアリングにバックスキン巻きを採用するのはGR86と同様だ。
アイドリングは安定していてノーマルエンジンとなんら変わらない。クラッチペダルの踏力も特に重たいことはないし、ミートのタイミングやフィーリングも神経質なことはないので、MTに慣れていない人でも安心して乗れる。
走り出すと、1500〜4000rpmあたりの中速域のトルクはやや細く感じるが、1.6Lエンジンということもあり、もともと回してドッカンパンチが湧き上がるタイプのエンジンなので、特に違和感はない。
4000rpmを超えてタービンに充分な排気が込められるようになると一気にトルクが盛り上がり、トムス・バレルの奏でる野太い排気音とともにエンジン回転もシャープに立ち上がる。
この怒涛のトルクで押し出す加速感は304ps、40.8kgmにパワーアップされた後期型エンジンとも違う、ターボチューンエンジン独特の感覚。
6速MTを駆使してブーストを落とさないエンジン回転を保ってやれば、トルクスプリット4WDのトラクションも手伝って、セミウエットの路面コンディションでも不安なくパフォーマンスを楽しめる。
足回りはややハードさを感じるが、車体はしっかりとサスペンションの入力を受け止め、しっかりと足が動いているので突き上げるような不快な動きはない。
トムスGRヤリスは、クルマ好きが「もう一歩」走りの質とパンチを求める時のモデルケースとして、MOSKINのレンタカーで味わって、参考にするのもいいだろう。






















コメント
コメントの使い方近年の純正車ではめっきり味わえなくなった仕様。高回転でグオーッと効きまくるターボ。
元から最高峰のハンドリングは、硬めのサスで更にキレが増してるだろうし、これレンタル目的で旅行しようかな