物価高が続くなかにおいては、クルマの維持費もできる限り抑えたいのが正直なところ。そのため、そろそろ交換時…と思っても、「まだ使える気がする」「今回は見送ろう」と判断を先延ばしにしがちですよね。
しかしながら、「小銭のケチりどころ」を間違えると、安全性が損なわれるだけでなく、かえって大きな修理代を支払う事態にもつながります。ここでは、代表的な消耗品であるタイヤやワイパー、そしてエンジンオイルやフィルター類の「正しい替え時」をご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_maroke/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】意外と知らない「クルマの消耗品の替え時」 小銭をケチって安全をケチらないで!!(8枚)画像ギャラリータイヤは「溝4mm」と「年数5年」が目安
クルマの一般的な消耗品のなかでも、もっとも重要であり、もっともコストがかかる「タイヤ」。残り溝が1.6mmに達すると使用ができない(保安基準に適合しなくなる)ことはよく知られていますが、安全性を考えるなら 「4mm以下」になったら交換を検討するのが◎。タイヤメーカーのブリヂストンも残り溝4mm以下になった時点での交換を推奨しています。
特に雨の日は残り溝が減るほど排水性能が落ち、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。「まだいける」ではなく「安心して走れる」ことを重視しましょう。
タイヤは内側と外側ですり減り方が異なる場合もあります。残り溝の確認をする際は、タイヤハウスの奥まで手を入れてウエアインジケーターを確認するようにしてください。またトレッド残り溝が4mm以上ある場合でも、タイヤのゴムは経年によって確実に劣化するため、製造から5年を超えたら点検、10年で交換を検討するようにしてください。
ワイパーは「ブレードごと、1年に1回」
視界確保の「命綱」であるワイパーは、1年に1回、ゴムとブレードをセットで交換するのがおすすめです。ワイパーゴムがフロントガラスにしっかりと密着するようにゴムに圧力をかける役目をもつワイパーブレードは、フロントガラスの曲率に合わせてしなやかに曲がる構造になっているため非常に曲がりやすく、曲がってしまうと、ガラス面にきちんと密着できず、ワイパーを動かしても水滴を拭き取ることができなくなってしまうことになってしまいます。すじ状の拭き残しや ビビり音、ガラスとの密着不良を感じたら、1年に1回を待たずに即交換するようにしてください。
エンジンオイルは「15,000km or 1年ごと」が基本
エンジンオイルに関しては、ガソリン車もハイブリッド車も、通常の使用の場合で「15,000kmまたは1年ごと」というのがJAF推奨の交換サイクルです。ターボ車や軽自動車など高回転・高負荷になりやすい車種は、一般的なガソリン車よりも早い10,000kmまたは半年が推奨で、軽のターボ車は、これよりもさらに早い5000kmまたは半年、オイルが汚れやすいディーゼル車の場合も、10,000kmまたは1年が推奨されています。
ただ、エンジンオイルは使用状況で汚れ具合が大きく変わり、短距離走行や渋滞路が多い場合はこれよりも早いタイミングで、また山道走行が多いなどの「シビアコンディション」では、推奨サイクルの半分が適切です。
劣化がわかりづらいエンジンオイルは、「まだ大丈夫」と思いがちですが、数千円で済むオイル交換を惜しむと、エンジン内部の摩耗やスラッジ(汚れ)堆積が進行し、最悪の場合は高額な修理につながります。「見えない劣化」こそ要注意です。











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