「え……エンジンが……かからない!?」――寒い朝にクルマが沈黙した瞬間のあの絶望感、味わいたくないものですよね。低温になる冬は、バッテリーや電装系の性能が大きく落ち込み、一気にトラブルが表面化しやすい季節です。しかし、その多くは事前の点検やちょっとした対策で防ぐことができます。冬本番を迎える前にやっておきたい「バッテリー&電装対策5つ」をご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_buritora/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】寒い朝に「え……エンジンが…かから…ない…!」を防ぐには? 冬にやっておきたいバッテリー&電装対策5つ(10枚)画像ギャラリーバッテリーの健康状態を点検し、必要なら早めに交換する
バッテリー上がりでエンジンがかからなくなる「突然死」を防ぐためには、まずは現状のコンディションを把握することが重要です。バッテリーは気温が下がると内部の化学反応が鈍くなり充電効率が下がるなどの理由によって性能が低下します。JAFのロードサービス出動理由でも「バッテリー上がり」は通年で多い項目ですが、とりわけ年末年始(2024年度は42.47%)は、お盆(同30.41%)やゴールデンウイーク(同35.82%)と比べても高い傾向があります。
まず確認してほしいのがバッテリー液量。本体側面のUPPER LEVELとLOWER LEVELの間に液面があるか確認してください。電圧に関しては、測定するにはテスターなどの計器が必要になるため、たとえばエンジンの掛かりが悪くなった、パワーウインドウの動きが鈍くなったなどの症状が出た場合は、一度専門店でチェックしてもらうといいでしょう。アイドリングストップ機能付きのガソリン車の場合は、バッテリーが劣化してくると、アイドリングストップが作動しなくなる場合もあります。
また、バッテリーは使用年数も重要で、製造から3年を超えると性能が大きく落ち始める傾向があります。前回の交換から3年が経過していたら、バッテリーの交換を検討してもよいタイミングです。
端子のクリーニングで導通を確保する
電圧が十分にあっても、端子の腐食や緩みがあると電気が正しく流れず、結果としてエンジンが始動しないことがあります。特に冬は金属が冷えて収縮するため、接触不良が起きやすく注意が必要です。
バッテリー端子を確認し、サビや白い粉(硫酸鉛)が付着していないか、プラス端子やマイナス端子に腐食や金具の緩みがないか確認しましょう。端子に手で触れて動くようなら増し締めをしてください。また、バッテリー上面にあるキャップの通気口まわりの落ち葉や埃などの汚れをできる範囲で取り除いておくことも重要です。
ライトの照度低下は危険信号!発電機(オルタネーター)も要チェック
またオルタネーター(発電機)の状態も確認しておきたいところです。冬は日照時間が短く、ヘッドライトを使う時間が一気に増えるほか、エアコンや曇り取りのデフロスターなどによって消費電力が増えるため、オルタネーターへの負担も大きくなり、充電不足が発生しやすくなります。
まず確認したいのがライト類。ハロゲンやLEDにかかわらず、照度が不安定だったり片側だけ暗い場合は要注意です。走行中にバッテリー警告灯が点灯したり、アイドリング時にライトが暗くなるような場合も、発電が追いついていない可能性があります。これらの症状を確認したらすぐに専門店に相談するようにしてください。













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