広く日本国民に「価格が安く低燃費で運転して楽しいクルマ」に乗って欲しいと願う大日本国民車会議。メンバーである伊達軍曹どの&清水草一氏が、国民車候補の15台を1台ずつ慎重に吟味する。ここではトヨタの5台の評価をお届け!!
※本稿は2025年11月のものです
文:伊達軍曹、清水草一/写真:トヨタ
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
国民車候補:トヨタ ヤリス
ハイブリッド車の燃費は最高であり、価格も中間グレードであるGの2WD車で232.1万円ときわめて手頃。そして、実はかなりスポーティな操縦フィールは下手なスポーツカー以上ということで、「これぞ令和の国民車か?」とも思われた。
だが日本国民があまねく使うべきクルマとしては決定的に「後席と荷室が狭い」というのが、ちょっと微妙なポイントだ。
●国民車的評価点……伊達軍曹:7点/清水草一:7点
国民車候補:トヨタ アクア
燃費はヤリスハイブリッド同じく良好で、ヤリスの欠点である「後ろが決定的に狭い」という問題も、アクアにはいっさいない。
そして車両価格は最上級グレードでも2WD車なら200万円台で、走行フィールも「楽しい!」という感じではないが、「……イイ!」という感じではあるため、かなり有力な国民車候補。オプションの素敵なアルミホイールが標準だったらなおヨシ。
●国民車的評価点……伊達軍曹:8点/清水草一:9点
国民車候補:トヨタ シエンタ
ガソリン車のほうの走りは大日本国民車会議として容認しかねるが、ハイブリッドのほうはなかなかのモノ。そして燃費は超絶良好であり、中間グレードのGでも車両価格は200万円台。
車内や荷室の使い勝手は抜群で、エクステリアデザインもフランス車を感じさせるというか、むしろフランス車以上にセンス良好であり、国民感情を湧き立たせてくれる。類似するフリードはデザインが弱い。
●国民車的評価点……伊達軍曹:9点/清水草一:10点
国民車候補:トヨタ カローラクロス
悪いところはひとつもなく、燃費や車内のスペース効率などはきわめて良好。走りも悪くはなく、過日のマイナーチェンジでデザイン性も少々向上した。だが最近のトヨタ車にしては「振り切れてない感じ」「80点主義の残滓」を感じる。
●国民車的評価点……伊達軍曹:5点/清水草一:4点
国民車候補:トヨタ ライズ
非常に好バランスなコンパクトSUVであり、車両価格にも燃費にも納得。広さはないが、単身または夫婦のみの国民を想定するのであれば、「国民車」としても資格は充分。だが何かしら「突き抜けたモノ」が特にないのが、やや残念。
●国民車的評価点……伊達軍曹:6点/清水草一:6点
最近のトヨタ車には「ダメな感じのモデル」が存在しないのが寂しいかも!?
近年のトヨタ車はステキなモデルがほとんどであり、国民車候補も多種多様に作ってくれている。それゆえ基本的には、これ以上トヨタに求めるものも苦言もない。
ひとつだけ言いたいのは、「ダメグルマ」も一車種ぐらいは作ってくれれば、我々カーマニアも盛り上がれるのに! という、かなり無理筋なお願いだけである。


























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