トヨタは暖気運転の必要ありませんと案内
実際、トヨタのお客様センターでは、トヨタ車のハイブリッド車に暖機運転は必要なのか、という問いに対して、
「ガソリンエンジンが冷えているときは、ガソリンエンジンの始動/停止を自動的に行いますので、暖機運転は必要ありません。なお、短距離走行のくり返しは、暖機運転のためのガソリンエンジン始動が頻繁に行われることになりますので、燃費の悪化につながります」と案内している。
ホンダはハイブリッドに限らず全車を対象とした暖機運転について、
「ホンダのクルマは、極寒地など一部の特殊条件を除いて、冬でも暖機運転をする必要はありません。ゆっくり走行しながらのウォームアップで十分です」としている。
冬季には暖房を早く効かせたいが、温風を出すためだけにエンジンを暖めるのは燃費や環境に良くないから、EV同様、ハイブリッドの寒冷地仕様車には電力で暖めるPTCヒーターが備えられている。寒がりのドライバーなら、寒冷地仕様車を選ぶのがお勧めだ。
シリーズハイブリッドの日産ノートやセレナのe-POWERも冷間時には暖機運転していつでも再始動に備える仕様になっているから、クルマ任せにしておいてOK。
e-POWERは、エンジン暖機中には水温が40℃を超えるまでは1300rpmあたりの回転数で暖機する。また、暖房をオンにした時に熱源となるエンジン水温を上げるためや、電池容量が減少した場合など、20km/h位でエンジンが始動することがたまにある。
エンジンを労るため、冷間スタート時は急加速を控えてやった方がいい程度だ。ヒーターを早く効かせたいなら温度設定を26℃以上にするといい。
加速時にモーターがアシストするマイルドハイブリッド車の場合も、冷間時にはモーターのアシストだけではなくエンジンの負担も増すため、やはり冷間時の加速は緩やかにしてやった方がいい。

マイルドハイブリッド車の多いスズキでは、各車の取り扱い説明書にこう記している。
「暖機運転は適切に次のような場合は、数十秒から数分程度の暖機運転を行なってから、走行を開始してください。
長期間、お車を使用しなかったとき、寒冷地などで極低温(-10 °C以下を目安)にあるとき、上記以外の場合はエコドライブのため、エンジンを始動したらすみやかに走行を開始してください」。
編集部まとめ:長く大事に乗り続けるのであれば暖気運転は必要
自分のクルマを長く大事に乗りたいのであれば、エンジン車の場合は冷間時にはエンジン始動後1、2分はアイドリングさせて冷却水やエンジンオイルを循環させて、その後も5分くらいはゆっくりと走行する”暖機走行”を行なってやるといい。アイドリングストップのキャンセルスイッチを活用するなど積極的にエンジンを暖めてやるような操作もありだ。
ハイブリッド車の場合には基本的には暖機運転は必要ない。アイドリングをしたままでの暖機運転は環境面からも不要。ゆっくりと各部をなじませる暖機走行を行うといいだろう。
ただし、例外もある。マイナス10℃を下回るような厳寒の地域での朝一番の始動時などは、オイルの循環が悪くなることがある。
また、長期間クルマに乗らなかったときなども、エンジン内のオイルが下がっており摺動する金属同士が密着している状態にあるため、エンジンを始動してすぐに走り出すとエンジン内にダメージがおよぶ可能性があるので、わずかな時間だけでもアイドリングしたほうがいいともいわれている。
以下、クルマを長く大事に乗りたい人に向けてまとめてみたので読んでほしい。
・常時(暖かければ): 暖気運転は不要。エンジンをかけたらすぐに発進し、優しく運転する。
・寒冷時(マイナス10℃以下など):
1/エンジン始動後、数十秒〜1分程度アイドリングする。
2/エンジンが滑らかに回るようになったら、ゆっくりと走り出す。
3/発進後も急加速を避け、エンジン回転数を抑え、ゆっくり(40km/h以下など)走行しながらエンジンと駆動系を温める。エンジンオイルを循環させ、エンジン内部や駆動系の部品(ミッション、デフなど)を温め、摩耗を防ぐために行うとよい



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