ところで、HOLDスイッチはいつ使うの?
EPBを搭載するクルマのほとんどに「HOLD」スイッチが搭載されている。これは、オートブレーキホールドのON/OFFを切り替えるスイッチだ。
「そんなに便利ならば、オートブレーキホールドは常時ONでよいではないか?」と思うかもしれない。
しかし、オートブレーキホールドがかかっていると、面倒になるシーンが稀にある。それは、「クリープ走行が必要なとき」である。
例えば、交差点内で右折待ちをしているとき、クリープ走行をしてソロリソロリと前走車へついていきたい場合がある。
その時、車両が停止するたびにブレーキホールドが入ってしまうと、再発進までにわずかだが、出遅れてしまうことがある。
同様にアイドリングストップ機構も煩わしいシステムだが、あちらはブレーキから足を離したり、ステリングを少し動かすとエンジンが再始動するので、発進のための準備ができる。
しかしオートブレーキホールドだと、アクセルペダルの操作をしない限り、ブレーキホールドの解除ができない。
筆者も、大きな交差点での右折待ちの際には、極力クルマを止めないようにクリープ走行を維持して進むか、ブレーキホールドを一旦解除するかを、必ずしている。
オートブレーキホールドは、渋滞中、よそ見をしている間にクルマが勝手に進んでいってしまわない、という便利な機能である一方、その特徴をよく理解して使用しなければ、「前に進みたいのに進めない」となり、アクセル操作が粗くなって、周囲のクルマに迷惑をかけてしまいかねない。
各メーカーのオートブレーキホールド機能搭載の車種は?
2020年3月時点で、オートブレーキホールドを装着している車種一覧を画像ギャラリーにまとめたので見てほしい。
【画像ギャラリー】オートブレーキホールド機能付きの電動パーキングブレーキを採用している車種は?
ブレーキホールドがあるメーカーの代表的なモデルをあげると、カローラ、RAV4、フィット、N-WGN、デイズ、ルークス、CX-30、マツダ3、アウトランダー、デリカD:5、レヴォーグ、フォレスターなど約50車種。
手引き式や足踏み式のパーキングブレーキと比べて、オートブレーキホールドとセットとなるEPBのコストは高く、ミドルクラス以上のクルマからの採用となっていたが、昨今、N-WGNやデイズといった軽自動車にも採用され始めている。
グレードによってパーキングブレーキのシステムが使い分けられており、全車標準採用ではなかったりもするが、凄い時代になったものだ。
まとめ
オートブレーキホールドはとても便利な装置だが、過信は禁物だ。筆者も、音やブレーキペダルの重さなど、ブレーキホールドがかかった合図を確認したうえで、そっと足を上げるようにしている。
ブレーキホールドのシステムを信頼しているが、使い方を十分にわかったうえで、上手に使えるようになることが必要だ。
使ってみないことには、そのありがたみは伝わらない。もしあなたのクルマに装備されていたら、ぜひともチャレンジしてみてもらいたい。
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