思想、技術、そして世界に与えたインパクト R35はとてつもない名車だった
2007年の登場から、16年もの間、幾多のライバルを相手に年次改良だけで性能競争の最前線に立ち続けることができたのは、GT-Rの基本設計の完成度が高かったからにほかなりません。ここまで長寿モデルになることを当初から想定していたかは分かりませんが、開発初期の段階で将来を見据えた「伸びしろ」を仕込むほどの設計力・先見性がなければ、これほど長い間、最前線で戦い続けることは難しかったはずです。
また、限界性能の数字だけを誇るのではなく、その性能を多くのドライバーが安全かつ安定して引き出せるよう設計されている点もGT-Rの凄さ。強大なパワーを受け止める電子制御や、路面状況に応じて最適な駆動力配分を行う4WDシステムなどによって、速いのに怖くない。これは日本メーカーらしい緻密なエンジニアリングが結実しているからこそではないでしょうか。
GT-Rはまた、この完成度の高さによって、国産車の価値観そのものを引き上げてくれました。それまで「高性能だが世界基準ではあと一歩」と見られがちだった日本のスポーツカーが、GT-Rの登場によって、欧州の名だたるスーパーカーと対等、時にはそれ以上に語られるようになったのです。
思想、技術、そして世界に与えたインパクト。GT-Rは日本国内だけでなく、世界的にも大きな影響を与えた、まさに「とてつもない名車」だったと、筆者は考えています。
いまは無理に「次」を急ぐ局面ではない 静かに待とう!!
生産終了となってしまったいま、気になるのは「復活はあるのか、あるならばいつになるのか」ということですが、「GT-R」は、単に高性能なスポーツカーをつくれば誕生するモデルではありません。とくに現在は、自動車業界にとって「100年に1度の変革期」といわれる時代です。電動化や自動運転といった技術の進展を踏まえ、「世界一のクルマとは何か」という問いに対し、日産なりの答えが定まらなければ「GT-R」という名は与えられないはずです。従来とはまったく異なる価値観を取り込んだ、新しいコンセプトが打ち出される可能性も十分に考えられます。
現在の日産は、まず目の前の経営課題に向き合うべき段階にあります。状況を踏まえれば、いまは無理に「次」を急ぐ局面ではないと筆者は考えます。日産のイヴァン・エスピノーザ社長も「現時点で正確な計画は確定していませんが、GT-Rは進化し、再び登場するでしょう。」としています。
いまは粛々と技術を蓄え、その時が来るのを待つ。いちファンとしては一刻も早くその姿を目にしたいところではありますが、いまは、GT-Rという名を守るための大切な時間だと受け止め、静かに待ちましょう!!
【画像ギャラリー】日産R35 GT-Rの「転換点」 最大規模のデザイン刷新を受けた2017年モデルを振り返る(24枚)画像ギャラリー

























コメント
コメントの使い方