三菱自動車が2026年夏、イギリス市場への再参入することを発表した。2021年秋に同市場から撤退してから、わずか5年での電撃復帰である。これほど短期間での市場復帰は極めて異例なことである。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:三菱自動車工業
【画像ギャラリー】日本にないランエボFQシリーズってこれか!! カーボンエアロもいいなこれ(3枚)画像ギャラリーアフターサービス事業を継続していたことがポイント
三菱自動車の英国市場復帰の立役者は、インターナショナル・モーターズ(International Motors Ltd)という会社である。この会社はスバル、いすゞ、中国のGWMやXpengなどを扱うイギリス屈指の自動車インポーターだ。
三菱の撤退後、アフターセールス事業を引き継いでいた同社が、今度は新車販売まで担うことになるという。
2020年7月、三菱自動車は衝撃的な発表を行った。欧州市場向け新商品の投入凍結である。
当時の中期経営計画「スモール・バット・ビューティフル」で打ち出された「選択と集中」戦略の一環だった。撤退後も三菱自動車は完全にイギリスを見捨てたわけではなかった。
インターナショナル・モーターズが引き継いだアフターサービスネットワークは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド全域に100以上の拠点を展開。既存オーナーへのサポートを継続していた。この強固な基盤が、再参入の決断を後押しした。
まずはアウトランダーとトライトンから
ゼロからの市場参入と異なり、インフラが整っている強みは大きい。再参入の先鋒を務めるのは、アウトランダーPHEVとL200ピックアップ(日本名:トライトン)だ。
アウトランダーPHEVは2012年、世界初のプラグインハイブリッドSUVとしてイギリス市場で大ヒットを記録した三菱車である。新型は2.4リッターエンジンに2基の電気モーターを組み合わせ、306馬力を発生。初めて7人乗り仕様も選択可能になる。
L200は、他国ではトライトンの名で知られるピックアップトラックだ。
2023年に登場した第6世代が投入され、フォード・レンジャーやトヨタ・ハイラックスと真っ向勝負を挑む。当初は高スペックなダブルキャブ仕様のみの展開だ。
その後、ルノー・日産・三菱アライアンスで共同開発した車種も順次導入される見込みである。
ファンが望んでいるのはやっぱりランエボFQシリーズ?
実はこれらの多くはルノー車のリバッジ版だ。三菱自動車の栄光を知るファンにとっては複雑かもしれないが、開発コストを大幅に削減できるという現実的な選択だ。
イギリスの三菱ファンが最も気にしているのは、ランサーエボリューションの復活かもしれない。
というのもイギリスと三菱エボリューションの関係は特別だった。日本の280馬力規制に縛られることなく、イギリス専用の「FQシリーズ」が存在していたからだ。
ラリーアートUKと協力し、EcuTekやHKSといったチューナーにも協力を仰ぎ、保証付きの高出力モデルを実現した。
FQ-300、FQ-320、FQ-340、FQ-360、そして究極のFQ-400、いずれも数値はおおよその最高出力を表すものだ。
なお、この「FQ」は三菱自動車本社には「Fine Quality」の略称だと説明していたそうだが、イギリスではFucking Quick(クソ速い、という意味)の略であることは非公式ながら周知の事実であった。
5年間のブランクを経て、三菱自動車はイギリスの地に再び立つ。懐かしのFQシリーズのような痛快なサプライズを、我々は期待せずにはいられない。
それにしても2020年の撤退時に手放したイギリス三菱自動車が保有していた歴代車両がもったいない…。
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コメント
コメントの使い方撤退は英政府の背信によるものであって三菱は裏切られた立場。それでも利益となるなら、許さないけど戻る、というのもアリでしょう。
英国民からの求める声も大きかったのでしょうね。タイム出せる車のなかでは貴重な4ドアなエボX、新型ライバルとも競争力あるトライトン、安定のアウトランダー