クルマに乗っていると、「より速く」「より大きく」「より頑強に」「より豪華に」といった「欲望」が果てしなく生じてくる。そんな人間の欲望のひとつ、「見栄」を捨てた先に見えてくる究極のクルマとは何か? 清水草一氏のご託宣を聞け!!
※本稿は2025年11月のものです
文:清水草一/写真:ダイハツ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年12月26日号
見栄を捨てると軽トラへの道が開ける!?
我々にとってクルマは、家の次に大きくて高い買い物。家と違って動かすことができるので、より見栄を張りやすい。
道路上という流動的な社会において、速そうなクルマ、強そうなクルマ、高そうなクルマは、周囲のクルマたちから、それなりの敬意を与えられる。だから見栄の張り甲斐がある。
しかし、よくよく考えてみれば、それが何だというのか。憧れを実現させることは尊いが、憧れより見栄を優先するようになったら本末転倒。無駄でしかない! 中高年は、キンキラに着飾った王様よりも、布一枚をまとった聖者を目指すべきだ!
クルマ界の究極のシンプルネス、それは軽トラである。見栄を捨てると軽トラへの道が開ける!
軽トラは究極の実用車だが、都市在住者にとっては、実用的でもなんでもない。荷台に積む荷物なんてあんまりないし、雨が降ったら濡れてしまう。キャビンは狭くてふたり乗り。リクライニングもままならない。まるでスーパーカーである。
トラ
ところで……今でもクルマで見栄が張れるのか?
昔ほどではないが、今でもそれなりにクルマで見栄は張れる。ズバリ、ガイシャに乗ればいいのだ。
メルセデスやBMWなら、たとえ激安中古車でも「高級外車」と、勝手にレッテルを貼ってもらえる。それはそれでホンワカと気持ちいいものだが……。
トコトン見栄を張りたいなら……ロールスロイス ファントム
クルマで見栄を張ろうと思ったら、究極はロールスロイスになる。台数が少なくてほとんど見ないけど、誰でも名前は知ってるし、その威風堂々たるパンテオングリルは、思わず土下座したくなる。
ただ、さすがにお値段が張る。ベースグレードで6050万円。スペシャルなオプションを組めば軽く1億だ。車両保険料も大変すぎる。古~いロールスなら500万円以下の中古もあるが、維持費は未知との遭遇だ。コワイ!



















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