300台限定で発売となるスバル BRZ STI Sport タイプRAは、FRの楽しさがギュッと詰まった本格派。「楽しさだけなら5割増し!」と国沢親方も大絶賛。FR好きなら大注目の一台。すでに予約エントリーは終了しているが試乗記は必読!!
※本稿は2025年12月のものです
文:国沢光宏/写真:池之平 昌信、スバル
初出:『ベストカー』2026年1月10日号
気持ちいいぜ! FA24バランスドエンジン
今まで乗った86/BRZ系モデルで一番素敵だったのは先代86のラリーカー『R3』仕様である。バランス取りしたエンジン+シーケンシャルドグを強化ボディに載せ、ライガーのサスペンションやアルコンのブレーキを組み合わせたモデルだ。
2021年のセントラルラリーに出て全開走行したのだけれど、まぁ楽しいの何の! 超絶コントローラブルなのだった。
スバル&STIが開発したBRZのSTI SportタイプRAはスーパー耐久の参戦車両で採用した技術を実装しているといい、手を加えている内容はドグミッションを除けば86のR3仕様と“ほぼ”同じ。
例えばエンジンなら、ピストン&コンロッドの重量差、クランクシャフトやフライホイールの回転バランスを標準の半分以下にしている。さらにサスペンションやブレーキ、ボディ剛性の強化まで行っている。
標準車でBRZの再確認をしてタイプRAに乗り換えると、エンジン始動時の振動からして「違いますね!」。1速に入れ高回転域まで引っ張ってみる。やはり濁った振動にならず、レッドゾーン手前まできれいに回っていく。「The水平対向」といった感じ。続いて「フラットシフト」を試してみましょう。
競技車両のシーケンシャルドグは、アクセル全開のままクラッチすら踏まずにシフトアップ可能。タイプRAの場合、普通のフルシンクロHパターンのため、クラッチを踏まなくちゃならない。でもアクセル全開でOK。
全開のまんまレッドゾーン直前まで引っ張り、クラッチを踏むとオーバーレブすることもなくシフトアップできる。アクセルを戻さないでいいため、パワーの途切れが少ない。
これやっぱイイです! 私のミライースのラリー車に採用したいと強く思った次第(笑)。ちなみにシフトダウンは幅広いマニュアル車に採用されているオートブリッピング。ブレーキ踏みながらクラッチ踏んでギアダウンすると、回転を合わせてくれる。
奥行きが深く幅も広い絶妙のハンドリング
タイプRAの楽しさはここから始まる。コーナーの進入でブレーキングすると、ブレンボがいい仕事をしてくれる。
絶対的なストッピングパワーを持つため、ロック寸前のブレーキコントロールをしやすい。当然ながら前輪荷重も思いどおりにかけられる。ハンドルを切り始める時のブレーキングでコーナー進入時の姿勢を作れるのだった。
クルマの前後バランスが取れた状態からアクセルを踏むと、最新のアプライドDから投入された“出力コントロールがしやすいエンジンマップ”により、これまた駆動力の微妙なコントロールを受け付けてくれる。
発生したトルクは、フレキシブルスティフナーなどで遊びを取ったボディと、ZFのダンパーによって適度に後輪に伝わる。ドライバーは意のままに後輪のバランスを変化させられる。
すなわち踏み込めばテールが流れ、ニュートラルにするとグリップする。この領域のコントロール幅が大きければ大きいほど扱いやすいクルマになる。
標準のBRZは「少し粘ってからテールが流れる」ため、少し大きめのアクションを入れなければならず、結果的に大きい挙動となるためバランスを崩しやすい。タイプRAならアクセルコントロールだけで姿勢を作れるのだった。
富士スピードウェイ・ショートコースの右、左と続くコーナーでは、テールを流しっぱなしでクリアできてしまうほど扱いやすい。ちなみにショートコースの速度域だとリアウイングのありなしの違いは実感できず。きっと100km/h以上のコーナーならバッチリ効くと思う。


















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