日本全国の大学自動車部を取材し、活動内容を周知し、応援していこうというこの企画。今回は総部員数7人という少数精鋭で活動中の東京農業大学自動車部をご紹介。整備から試合出場まで全員が一丸となって戦う「7人のサムライ」だ!!
※本稿は2025年12月のものです
文:奥野大志/写真:奥野大志、ホンダ、スズキ、ダイハツ ほか
初出:『ベストカー』2026年1月10日号
まさに少数精鋭!! 部員7人の自動車部
●「自動車部」とは?
自動車部は野球部や陸上競技部等と同じく体育会に所属する運動部。私立大学の場合、学生自動車連盟(学連)が主催するジムカーナやダートラ、フィギュアに参加するのが一般的。
東京農大は3競技すべてに出場しているほか、軽耐久にも参加している。ちなみに自動車部は「農友会」と呼ばれる組織の中にあり、正式名称は「農友会 自動車部」となる。
●東京農業大学自動車部 活動内容
・正式名称:東京農業大学 農友会 自動車部
・部員数:7名
・設立:1934年
・試合車:スイフトスポーツ(ZC32S)、シビックタイプR(EK9)ほか
・活動場所:世田谷キャンパス 常磐松会館 本館裏ガレージ
・活動日:毎週火/木/土(平日は16時から、土曜日は11時から)
今回は東京農業大学にお邪魔しました。農業や生物、環境などに特化した専門大学で、6学部を運営。正月恒例の箱根駅伝への出場が決まっているので、ご存知の方も多いはず。
実は東京農大に取材をお願いしようと思ったのは、とあるイベントで部員とコンタクトした時の会話がきっかけ。本題に入る前に少し紹介させてください。
ゴリ「今年の新人の入部状況はどうですか?」。
部員「うちは農業大学なので自動車部の部員は少ないです。2025年の新人はひとりです……」(現役部員)。
短い言葉ながらリアルに伝わってきたアウェー感。理系の自動車部は人数が多い傾向がありますが、東京農大はその逆です。少しでも自動車部の活動を後押しできればと思い、ガレージのある、世田谷キャンパスに向かったのです。
世田谷キャンパスは東京・三軒茶屋と神奈川を結ぶ世田谷通り沿いにあります。重厚な門を通過し、案内された常磐松会館に向かうと、裏手に自動車部ガレージがありました。
2台分の屋根付きガレージと部の試合車を駐車できるスペースがありますが、一般の学生が行き来する通路に面しており、自由に使えるスペースは最小限です。
「東京農大自動車部は1934年設立で、歴史は長く、2024年には90周年を迎えました。現在7人で活動していて、学連主催のジムカーナ、ダートトライアル、フィギュアのほか、軽耐久にも参加しています」(齋藤 樹主将)。
ある程度予想はしていたものの、7人という部員数は衝撃的。拙者が取材に行ったなかで、最も人数が少ない自動車部です。
「大学生になり、免許をとれるようになりますが、農大生の場合、クルマ好きと言っても、レンタカーでドライブに行く人たちで、モータースポーツはかなり敷居が高いです。部員が多い時代もあったのですが、コロナ禍で途絶えてしまい、現在は新入生歓迎の企画を行っても、部員数が増えない状況です」(同)。
ちなみに7人の内訳は4年生が2人、3年生が1人、2年生が3人、1年生が1人。これだけ人数が少ないと部員同士の関係が密接になりそうですが、実際、部活中の雰囲気はとてもよいといいます。
「上下関係はなく、よい意味でも悪い意味でも、部の雰囲気はポワーンとしています。みんな楽しくやっているのがうちの部の特色なのかなと思います」(同)。
小人数ならではの特徴ですが、実際の活動となると、リアルにマンパワー不足。何しろ、たった7人で複数の試合車を整備し、学連3競技に出場しているのですから、それだけでも大変です。
しかも、学連の大会では、自分の大学からオフィシャルを出さなければならず、2人出したら残りはわずか。マジで、テントを立てるのも大変な状況です。
「2025年の全日本ダートラは出場権こそあったのですが、遠方開催ということで出場を断念しました。2026年のことは後輩が決めますが、参加競技を絞り、部員の負担を減らし、新入生の勧誘に力を入れてもいいのかなと思っています」(同)。
一方、メリットもあります。そう、人数が少ない分、試合車に乗って練習できる機会が多く、試合にほぼ出られることです。現在の学連競技用の試合車はダート用とジムカーナ用のスイフトスポーツの2台。2025年8月には1泊2日のジムカーナ合宿を行い、2台のスイフトスポーツで走りまくりました。
「団体戦は3人1チームなので、2年生以上はほぼほぼ選手になれます。タイム云々より、普段の会話で選手が決まっていく感じですね。自分はあまり速いほうではないですが、全競技に出ることができました。そういう意味では楽しかったですね」(同)。
2025年の活動のトリは10月12日にスポーツランド信州で行われた、軽耐久6時間レース。自動車部はヴィヴィオで出場し、5時間目を迎える直前に横転。99周リタイアとなりましたが、半分以上の選手が下級生という中、合宿の成果を発揮し、2024年を上回る活躍を見せました。
「完走が目標でしたので、非常に悔しい結果となりましたが、2026年は下級生が中心のチームになります。今大会で得た経験を活かして、次こそはよい順位を獲得できるよう、車両の準備と練習を積み重ねていってほしいです」(同)。
がんばれ農大自動車部。これを読んでいる農大生や関係者のみなさん、入部は随時可能なので、ガレージに足を運び、自動車部の魅力に触れてみてください!



















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