「エコだけじゃ終わらないハイブリッドカー」 ホンダ・CR-Z
プリウスの登場以来、ハイブリッドカーといえば「エコ」だった。しかし、2010年に発売されたCR-Zはそのイメージを一転。「環境性能」と「走り」という相反する要素を両立するハイブリッドスポーツとしてデビューした。
その姿は、2007年東京モーターショーで披露された「CR-Zコンセプト」そのもの。躍動感あふれるワンモーションフォルムは、まさにスポーツカーだ。
ドライビングポジションにもこだわり、ヒップポイントを極限まで低くしながらヒールポイントを上げて高低差を少なくし、スポーツ走行に適した着座姿勢を実現している。
パワートレインは、114ps(MT)を発揮する1.5リッター直4に14psのモーターを用いたIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を組み合わせた独自のハイブリッドシステム。
システム出力は124psだが、モーターのアシストを積極的に活かす「SPORTモード」を設定した3モードドライブシステムで走る楽しさを提供する。そして、世界で初めてハイブリッドカーとして6MTを採用し、CVT車にはパドルシフトが装備された。
なお、2012年のマイナーチェンジでエンジンとモーターの出力が向上。力強い加速が可能な「PLUS SPORTシステム」も搭載した。
CR-Zは初のハイブリッドスポーツとして期待値が高かったこともあり、デビュー年は順調にセールスを伸ばした。しかしそれ以降は下降線をたどり、販売終了までの累計販売台数は約4万台。2代目が登場することはなかった。
「斬新な3席×2列の6シーターミニバン」 ホンダ・エディックス
2000年代前半といえばSUVブームが本格化する前で、まだまだミニバンが主役だった頃。それゆえ各メーカーからさまざまなモデルが発売され、まさに乱立状態だった。そんななか、2004年に登場したエディックスは斬新な手法で多人数乗車を可能にし、独自性を打ち出した。
一般的にミニバンとは3列シート車のことを指すが、エディックスはホンダ自らミニバンと謳っているため、本稿でもそれに倣って進めよう。
さて、そのエディックス最大の特徴は独創的なパッケージングで、「3×2ミニバン」をコンセプトに3席×2列という6シーターを実現。
このメリットはいくつもあり、2列シートのため全長を伸ばす必要がなく、取り回し性に優れること。さらに、前後の中央席をロングスライドさせるV字シートレイアウトで、自由なアレンジが可能なことに加え前後席の一体感も創出。そして、ワイドトレッドを生かした優れた操縦安定性としなやかな乗り心地も手に入れた。
エクステリアはミニバンを感じさせないもので、「スポーティ&ダイナミクス」をテーマにショートかつワイドなスタイルを創造。全長は同時期に販売されていたエアウェイブよりも短いが、全幅は1.8m弱のため完全な3ナンバーとなる。
このような斬新な発想で生まれたエディックスだったが、コンパクトカー層にはサイズが大きく、ミニバン層にとっては室内が狭いという中途半端なクルマになってしまい、1世代で姿を消したのである。
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