クルマ購入時の手痛い出費だった「自動車税環境性能割」が3月末日をもって廃止される。燃費性能に応じた税金として導入されたが、その成り立ちを辿ると、別の顔が見えてくる。廃止が決まった今こそ、この税金が何だったのかを整理しておきたい!
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部ほか
【画像ギャラリー】時代もジャンルも違うクルマたち ホントに同じ税制でいいのか!?(8枚)画像ギャラリー課税されないクルマもあるにはあるが……
今はクルマを取得する時に、環境性能割(正確には自動車税環境性能割/軽自動車税環境性能割)を徴収される場合がある。
環境性能割の税額は、2030年度燃費基準の達成度合いと、取得価額(課税標準基準額+オプション価格)によって決まる。環境性能に応じた税率を取得価額に掛けて算出するものだ。
簡単にいえば、2030年度燃費基準の達成度合いの高い環境性能の優れた車種、あるいは取得価額が安い車種ほど、環境性能割の税額を安く抑えられる。
例えばハイブリッドには、2030年度燃費基準の達成度合いの高い車種が多い。そのために環境性能割が非課税になり、徴収されない車種も少なくない。
そもそも論で筋の通らない税制だった
逆に燃費性能の悪い大排気量エンジンを搭載した高価格車は、環境性能割も高い。トヨタ ランドクルーザー250に、ノーマルガソリンエンジンを搭載したVX(価格は545万円)の環境性能割は13万3700円だ。日産 スカイライン400R(価格は649万5500円)の環境性能割は15万9400円に達する。
この環境性能割の廃止が、ほぼ確実になった。自民党内では、2年間に限って凍結する方針だったが、国民民主党の要求を踏まえて廃止を決めた。自動車ユーザーにとって、購入時の出費を抑えるメリットが生じる。
ただし環境性能割は、本質的な矛盾を抱えており、もともと支払う筋の通らない税金だった。環境性能割の前身となる自動車取得税を、消費税を10%に高めた段階で廃止することが、国土交通省税制改正概要において決まっていたからだ。
【画像ギャラリー】時代もジャンルも違うクルマたち ホントに同じ税制でいいのか!?(8枚)画像ギャラリー消費税10%になっても実質徴収!?

それなのに実際には、消費税が10%になった段階で、国民は国から裏切られた。確かに自動車取得税は廃止されたが、自動車取得税にソックリな環境性能割を新たに創設して徴税を開始したからだ。つまり現在の環境性能割は、実質的に名称を変えた自動車取得税だ。この経緯を踏まえると、そもそも環境性能割は、廃止して当然だった。
そして環境性能割を理解するには、その前身となる自動車取得税の成り立ちを知っておく必要がある。
クルマの取得価格に応じて課税する自動車取得税は、1968年に、道路特定財源として創設された。道路特定財源とは、道路の建設や整備の財源とするために徴収していた税金だ。クルマのユーザーは道路の恩恵を多く受けるから、道路に関する費用も負担すべき、という受益者負担の考え方に基づく。










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