アイドリングでブルブル震える……iQ(2008年〜)
最後は2008年登場のiQだ。「マイクロコンパクト」という新ジャンルに挑んだこのクルマは、自分の手足のように動く独特のドライブフィールが一級品。小さなボディを活かした軽快なハンドリングは、熱狂的なファンを生んだ。
ところが問題は1.0Lの3気筒エンジンが発するアイドリング時の振動だった。シートとステアリングがブルブルと震え、初めて乗ったユーザーを驚かせた。
当時の3気筒エンジンとしては珍しくない特性だったが、同じエンジンを積むヴィッツではさほど気にならなかった振動が、iQの小さく軽いボディでは悪目立ちしてしまったのだ。
この問題が浮き彫りにしたのは「試乗の重要性」だ。スペックシートや説明だけでクルマを売り、試乗を省いて納車すると、後から「こんな振動があるとは聞いていない」という声が上がる。
iQはそのしっぺ返しを営業マンに経験させ、ユーザーを実際にクルマへ乗せることの大切さを体で学ばせたのだ。
面倒でも時間がかかっても、試乗を欠かさないことが優秀な営業マンの条件であると、iQは無言で語り続けた。
クセ者たちが作った「本物の営業力」
キャバリエ、アベンシス、iQ——いずれも大ヒット作とは言い難いが、これらのクルマに当たった営業マンは確実に一段上のレベルへと引き上げられた。
スイスイ売れる優等生ばかりが揃うトヨタのラインナップにあって、こうしたクセ者の存在が営業現場全体の「チカラ」を底上げしてきた側面は否定できない。
最近はクセの強いトヨタ車が減ってきた。しかし営業マンが優等生車に甘えてダラけ始めたころ、また新たなスパルタ教官が現れるかもしれない。
近々北米から逆輸入車がやってくる。彼らがまた、トヨタ営業マンを指導するスパルタ教育車にならなければいいのだが。
【画像ギャラリー】逆輸入車が営業マンに喝を入れる存在に!? ますます楽しみだぜトヨタ!!(11枚)画像ギャラリー












コメント
コメントの使い方