新型エクストレイルでe-POWERが世界へ!!  高性能化の裏で問われる「手が届くクルマ」と海外モデルの可能性

進化の代償は価格上昇 「手が届くSUV」はどうなる!??

 進化の裏側で避けて通れないのが価格の上昇です。e-POWERの高性能化やデジタル技術の強化は魅力ですが、そのぶんコストが積み上がるのは避けられません。

 初代~3代目エクストレイルは、「300万円前後で選べる実力派SUV」というポジションで支持を得ていましたが、現行型はすでに税込400万円前後がボリュームゾーンとなっています。さらなる高機能化をはたすと思われる次期型は、さらに上の価格帯へシフトしていく可能性が高いですが、その受け皿となるべき新型キックスも、装備の充実によって価格上昇が見込まれています。

 結果としてラインアップ全体が上方へスライドする構図になりつつあり、「日産車はどれも高くて手が出ない」と感じる層が増えていく可能性もあります。

2000年10月に登場した初代エクストレイル。200万円台で手に入るライトなSUVだった。かつての「手が届くSUV」という立ち位置を担うクルマがほしいところだ
2000年10月に登場した初代エクストレイル。200万円台で手に入るライトなSUVだった。かつての「手が届くSUV」という立ち位置を担うクルマがほしいところだ

海外モデルという選択肢 日本市場に求められるもうひとつの方向性

 そこでぜひ取り入れてほしいのが、海外モデルの日本市場への横展開です。近年日産は海外市場において、新型モデル発表と同時に、内外装と装備を刷新した従来車のビッグマイナーチェンジモデルを投入しています。従来型キックスも、内外装と装備を刷新して、まるで新型モデルのように仕立てることで、開発費を抑え価格競争力を確保したモデルを、タイでは「改良型キックス」として、南米では「カイト」として販売しています。中国市場でも、新型「キャシュカイ」とともに、従来型を「キャシュカイ・グローリー」として販売しています。

 最新モデルの高機能化はもちろん重要ですが、「必要なものだけでいい」というユーザーは日本にも少なくないはずです。こうした実用重視のモデルを国内にも投入できれば、上級化が進むラインアップの中で選択肢に幅を持たせることができ、これまで取りこぼしてきたユーザー層を取り込むことができるのではないでしょうか。技術の進化だけでなく、ユーザーの現実にもきちんと向き合ったラインアップになることを期待したいところです。

タイで登場した改良型キックス。従来型をベースとしながらも、内外装の質感や先進性を大幅に引き上げ、装備面も強化したモデルだ
タイで登場した改良型キックス。従来型をベースとしながらも、内外装の質感や先進性を大幅に引き上げ、装備面も強化したモデルだ
【画像ギャラリー】次期型は「コアモデル」としてe-POWER車が世界へ!! 日産のミドルクラスSUV「エクストレイル」(21枚)画像ギャラリー

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