自動車評論家の鈴木直也氏が、愛車のデミオを売ってCX-3の新車を買おうとした時の話。
「いい機会だからネットの車買取サイトで査定してみよう」と思い立ち、登録してみたところ……?
文:鈴木直也 写真:Shutterstock.com、鈴木直也
ベストカー2017年6月26日号
■最初はディーラー下取り査定でいいかな、と
クルマの買い換え時は下取りに出すよりも買取業者に売ったほうがお得。この事実をつくづく思い知らされたのが、昨年末にデミオからCX-3への乗り替えを計画した時。
同じマツダからマツダだし、最初はふつうにディーラーで下取りの査定をしてもらうよね。
ボクのデミオは現行モデルの初期型で、車検1年残り走行2万㎞ほどの高年式車だったから、ディーラーもまぁまぁの数字を出して、一瞬ハンコを押しそうになりました。
でも、今はネットで「最大○社で同時査定!」とか派手に宣伝している。一応試してみるか……、そんな程度のノリでとあるネット査定サイトに登録してみたワケです。
年式やら装備やら住所氏名やら、必要なデータを入力して「これでOK」と、マウスをポチッとクリックした瞬間ですよ、驚いたのは。
冗談抜きに、マウスをクリックした瞬間、間髪を入れず携帯が鳴り始めるのよ! 出てみると「もしもし、こちらクルマ買取の〇〇です!」という着信がひっきりなし。
最近のネット査定の過熱ぶりを初めて実感したワケです。最近は「ネットに登録すると電話がかかってくるから嫌なんだよなー」なんてラジオCMを耳にするけど、ようやくその意味がわかりました。
「ぜひおクルマを拝見させてください!」という段取りになるのだけど、5社も6社もばらばらにお付き合いする時間はない。結果的に「では、○月○日、皆さんご一緒に」ということで、クルマのある駐車場に買取業社の皆さんが一斉集合することに。けっこうハラハラするような展開だ。
ただ、業者さんからすると、こういう「あいみつ」は珍しくないようで、お互いに「どーも、どーも」とか挨拶しながら意外に和気藹々。
さっそく各社それぞれクルマをチェックするんですが、意外なことに買取の現場ではそんなに細かく見ないんだね。
クルマの年式が新しいこともあるけど、買取契約のなかに「瑕疵担保責任」という条項があり、契約後に不具合が発覚した場合は買取そのものをキャンセルできるという一筆が入ってるから。
どのみち後で細かくチェックするんだから、まずは買取競争に勝つのが先決ってことだろう。
で、いよいよクライマックスとなる買取金額の提示になるわけですが、ぼくの場合はとある一社が率先して仕切って来たのが印象的だった。
この業者さん曰く、「スッキリ決めていただくため、みなさん名刺の裏に数字を書いてお渡しするというのはどうでしょう?」だって。いかにも自信ありげなのよ、この会社。
かくして、集まった数枚の名刺をまるでトランプの手札をチェックするかのようにそーっとオープンしてみると、案の定くだんの仕切ってきた会社の数字が一番フダ。それもかなりのブッチギリです。
具体的な数字をバラすと、2年弱乗ったデミオXDが150万円オーバー。2位の買取業者に約8万円、ディーラー下取りには15万円以上の差をつけての圧勝でした。
ここまでの数字が出るとは、ボクもビックリ。いやー、噂には聞いていたけど、○ッグ○ーターってすげえわ。
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