世界において日本のクルマの存在感が大きくなり始めた1960〜1970年代を過ぎ、1980〜1990年代を迎えても日本車の勢いは衰え知らず。この時代の日本車が世界中で求められていることからも窺える。時代を彩った日本車をご紹介する。
※本稿は2026年5月のものです
文:片岡英明、清水草一/写真:日産、ホンダ、トヨタ、マツダ、ダイハツ、三菱、スバル、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
バブル前後に見るニッポンのチャレンジングカー
平成になってすぐに登場したR32型スカイラインはメカを刷新した挑戦的な作品だった。
電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TSを設定し、リーダー格のGT-Rはボディを拡幅して2.6LのRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボを搭載している。4輪マルチリンクのサスペンションやスーパーHICASも装備し、異次元の走りを見せつけた。
和製スーパースポーツカーの原点にして頂点
フェラーリやポルシェなどの老舗スポーツカーに挑んだホンダの意欲作がNSXだ。軽量化を徹底するために世界で初めてオールアルミ製モノコックボディを採用し、人間優先のパッケージにも驚かされた。
ミドシップのスポーツカーなのに、なんとゴルフバッグを2個積むことができる。90度V型6気筒DOHC・VTECエンジンはターボより切れ味鋭く痛快だ。
いまでは当たり前となったハイブリッドも「元年」があった
21世紀を前に登場し、今につながるエコカーの基礎を築いた傑作がプリウス。誰もが、まだ先だろう、と思っていたエンジンにモーターのハイブリッド技術を世界で初めて実用化した。最初はEV登場までのつなぎの技術と言われたが、今や主流となっている。トヨタが勝負をかけてきた英断に驚かされ、脱帽だ。
初代セルシオもそれまでの高級車像を大きく超えた力作だった。源流対策を徹底し、静粛性や乗り心地に代表される快適性を驚異のレベルにまで引き上げている。V8エンジンも、異次元の滑らかさだ。高級車の基準を大きく変え、これ以降は違う価値観でクルマづくりに励むようになる。
世代どころか世界中で愛されるようになった傑作機
スポーツカーではリア駆動の爽快なオープン・ライトウエイト・スポーツカーを復活させたマツダのNA型ロードスターだ。
多くの困難が待ち受けていたが、量産車のパーツも用いてコストを下げながら、人馬一体の楽しい走りを実現した。自慢のロータリーパワーに頼らなかったことも果敢な挑戦といえるだろう。軽さの美学を多くのファンに伝え、世界中を魅了した。
RVではアンダーフロアミドシップの独創的なパッケージングのミニバン、初代エスティマが光る存在だ。走りがいいだけでなくデザインも攻めている。5ナンバーサイズのルシーダとエミーナを用意していたことも驚きだった。
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